「週刊少年ジャンプ」の2月21日発売号より連載が開始された、神海英雄によるSF漫画『地球の子』。その始まりは、以下のような内容だった。
主人公の佐和田令助がトラックに轢かれそうになる、緊迫したシーンから始まる本作。あわや死……というところで、突然現れた女性。女性は不思議な力でトラックを宙に浮かせ、令助を救う。女性は茫然としている令助の記憶を消し、立ち去る。が、令助は翌日になっても自分を助けてくれた女性のことだけは覚えていた。
そして、令助は数日後、街の中で偶然女性と再会する。彼女の名前は星降かれり。そこでかれりが語ったのは、自分が「地球の子」という念力を使って世界の平和を守るヒーローだということだったーー。
怒涛の1話で話に惹き込まれる
まず、1話に詰め込まれた情報量と、時間の流れに圧倒される。
再会を果たした令助とかれりは惹かれ合い、恋人同士になって結婚、子どもも授かる。これだけでも長編が出来上がりそうだが、1話分の話である。
さらに話は進む。地球に小惑星が衝突すると分かった。「現在の技術では小惑星が巨大すぎて軌道をずらすことすら不可能」と宇宙機関。衝突すれば、生物の住めない星になる。救えるのは地球の子であるかれりのみ。
かれりは引き受ける。地球を救うためではなく、令助と自分の子どもを救うために。
小惑星を破壊し、令助たちを守ることはできたが、かれりが地球に戻ってくることは叶わなかった。
絶望する令助の前に明らかになった真実がもうひとつ。息子も「地球の子」だということだった。
驚きのスピード感。それでも駆け足に感じられないのが恐ろしい。同時に、ここからどう話が展開するのかが気になって仕方がなくなる。
令助とかれりの出会いは運命だった?
かれりにとって、令助は特別だった。何度記憶を消しても、消えない。ずっと自分を覚えてくれている存在。
そして、ふたりの間に生まれたのが息子・衛が「地球の子」という奇跡。地球の子は全人類対象の宝くじのようなもの、と書かれているが、誰が引くかわからないのだ。なのに、かれりの子は地球の子だった。
そして、「地球の子」が生まれたからには地球存亡の危機が再び訪れることが確定している。
「星降かれり」が小惑星の衝突を防ぐことも生まれたときから決まっていたのだろうか。「星降」だなんて。
令助は「凡人」「普通の人」という設定だけれど、「地球の子」にとっては特別な存在ではないのか。だとしたら、子どもの衛にとっても特別な存在となる。彼の役割とは一体何なのか。
そして、息子は「衛(まもる)」という名前だ。名前がもし、地球が危機に陥る原因とつながっているのだとしたら、これからやってくるであろう危機が恐ろしくなる。
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壮大な
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