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Wednesday, October 28, 2020

中国エコシティー誤算、進まぬ住民誘致 無謀な開発で廃虚化の懸念 - SankeiBiz

 中国で環境保護と経済成長の両立を目指す「環境都市(エコシティー)」の建設が相次いでいる。農村から都市への移住を促す政府が全土で進めるプロジェクトで、今後の都市開発の新基準になるとの期待が集まる。だが、実際に環境保護に結び付くか疑問視する向きがあるほか、無謀な開発で廃虚化するとの懸念も浮上しており、壮大な計画と現実とのギャップも露呈している。

 持続可能な戦略なし

 南西部の成都市郊外の「天府新区公園都市」もエコシティーの一つだ。米テキサス州ヒューストンの市域面積よりも広く、足を踏み入れれば青々とした芝生の海が出迎える。芝生が囲む人口湖には一面にスイレンの花が咲き誇る。

 中国政府は年内に農村から地方都市へ約1億人を移住させる方針を掲げており、これらエコシティーを移住の受け皿とする考えだ。中国ではここ数十年で都市化が急速に進み、高層ビルが大都市の郊外にも広がってきた。一方で、農地は侵食され、環境汚染が深刻化している。こうした中、政府はより持続可能な発展と豊かな暮らしが両立する都市づくりを模索している。

 天府新区のプロジェクトは2014年に承認され、多額の政府資金が流入した結果、不動産価格が軒並み上昇した。天府市は19年上半期だけでも3000億元(約4兆7000億円)以上の投資を誘致。年内に主要な工事が完了すれば、人工湖や公園など緑化地域が総面積の6割近くを占める。新区は30年までに常住人口630万人の目標を掲げる。これは上海など中国の大都市の4分の1ほどだ。

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の中国未来都市研究所のスーチー・ジェン所長は「新都市は政府が革新的なアイデアを簡単に試す実験のようなものだ。既存の都市を再開発する場合とは異なり、新都市では住民に配慮する必要がない」と指摘する。

 中国の習近平国家主席は12年、環境に配慮した都市開発を目指す「エコ文明」思想を提唱した。しかし、その野心的な計画は必ずしも具体策には結び付いていない。新都市建設に関する政府のガイドラインには「低炭素」や「環境保護」といった流行語が羅列されているものの、エネルギー効率や建材などに関する具体的な要求基準をほとんど記載していない。

 寧波諾丁漢大学の建築環境学科のデン・ウー准教授によると、エコシティーの名を冠した開発は数百件ほどに上るが、その多くはエネルギー効率の高い建築設計や、高効率な交通システム、再生可能エネルギーの利用など、持続可能な発展に向けた戦略を導入していないという。

 ウー氏によると、住宅開発業者は屋内の温度・湿度・酸素濃度を一定に管理できる機能を挙げ、「エコな建築」との看板を掲げているが、実際にはこの性能を実現するには大量の電力を消費する必要がある。「開発側はエコと快適性を同一視しているが、これらのプロジェクトは環境に配慮するどころか、逆効果になりかねない」とウー氏は指摘する。

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