ボブ・ディランの8年ぶりとなるオリジナルアルバム「ラフ&ロウディ・ウェイズ」の日本盤が7月8日に発売された。豊かなイメージが連鎖する壮大な詩は、神や死の世界に接近し、ときに悩み、恐れ、強がり、血の匂いがするほど攻撃的になるが、近づいてのぞきこめば、真意は風に舞い、消えていく。近年の作品でもトップクラスに深遠で、雲をつかむような作品だ。
拡大するラフ&ロウディ・ウェイズのアルバムジャケット=ソニーミュージック提供
ギターからキーボード、そして再びギターへ
前作の「テンペスト」(2012年)は、シェークスピアの最後の作品と同名だったことから、ディランにとっての最後のオリジナル作品になるとささやかれていた。事実、新曲は途絶えていた。だが、沈黙を破り、3月に新曲「最も卑劣な殺人」(Murder Most Foul)をリリースすると、立て続けにシングルをリリースし、あれよあれよとアルバム発表までこぎつけ、世界中を驚かせた。作り手としてのディランの現在地は、じわりと次のステージへと進んでいた。
00年代以降のディランと言え…
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ディランが8年ぶり新作 生と死歌う難解な到達点 - 朝日新聞デジタル
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