2022年7月29日にNintendo Switchで発売される『ゼノブレイド3』。“アイオニオン”と呼ばれる世界で、壮大で重厚な物語が描かれていく本作。
本稿では、発売に先んじてストーリーの序盤をプレイしたライター2名のプレイレビューをお届け。それぞれの視点から、『ゼノブレイド3』ならではの魅力に迫っていく。
『ゼノブレイド3』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ゼノブレイド3 オンラインコード版』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)なお、2022年7月28日発売の週刊ファミ通(2022年8月11日号 No.1756)は、本作の発売を記念して、表紙も『ゼノブレイド3』、特集も『ゼノブレイド3』のスペシャル号となっている。こちらもぜひチェックしてほしい。
序盤からテンション全開のストーリー&バトルに驚愕!
Text by ギャルソン屋城(本誌ライター)
様子見なんて、とんでもない。
『ゼノブレイド3』は、過去2作品で描かれたふたつの世界をつなぎ、未来へと旅立たせるための新たな物語だという。スケールの大きい作品だ。また、バトルも従来同様、位置取りとアーツの編成、タイミングが重要となるなかなか玄人好みのシステムだったりする。
それゆえに、序盤は世界観だのシステムだのの説明を中心にしたウォーミングアップ的な展開となり、徐々に盛り上がっていくのかなと思っていた。しかし、その予想はゲーム開始1時間ほどで早くも裏切られることになる。序盤からガンガン伏線らしきものや重要人物が投入されたり、主人公たちもワケのわからぬままツラい旅へ放り出されたり、フィールドでも油断していたら強敵とうっかり遭遇して全滅してしまったり。制作側はどれだけやる気(殺る気)いっぱいなんだと、その高いテンションに驚かされてしまった。
まずはストーリー展開。既報のように主人公のノアたちは10年しか生きられないという、あまりに悲しい身の上。しかもわけもわからないうちに追われる身となり、その後もかつての仲間や知り合いと戦わされたり、過去の過ち(失敗)にさいなまれたり……。序盤から様子見なしのヘビーな展開の連続である。そんな中、必死に顔を上げて前へ前へと突き進んでいく少年少女たちの成長物語が、最初から全力で描かれていく。「え? こんないいエピソード序盤から投入しまくって最後までテンションもつの?」と心配になるくらい、ずっと盛り上げ続けくれるのである。
個人的にはタイオンがアツかった。冷静沈着な知性派……と思いきや、ノアたちに感化されて冷静と情熱のあいだで葛藤したり、若気のイタり的なシーンを何度も見せてくれたり……。自分を見失わず高いリーダーシップを発揮するノアや、皆よりちょっとお姉さんのミオを差し置いて、前半戦ではまるで主人公のような振る舞いを見せることも多い。ユーニやランツも熱血ポジション。セナは妹ポジションかな。
さらに各地で出会うかつての仲間たちや同じ身の上の戦士たちが、とにかくアツいやつらばかり。エセルやイスルギなど、言葉だけでなく背中(行動)で信念を示す先輩たちは「あなたたち、本当に生まれて10年も経っていないの?」と、年齢詐称を疑ってしまうくらい、オトナでカッコいい。
また、ゼオンやニイナ、ルディ、ユズリハにアシェラなど、各地のコロニーで出会う軍務長たちはとにかく個性派揃いで、ノアたちとのやり取りも楽しい。彼ら彼女らが住まうコロニーには、メインストーリー進行上必ずしも立ち寄る必要はないことがほとんどなのだが、サブストーリー(ヒーロークエスト)がおもしろくて、気付けば立ち寄ってしまっていた。
しかも、それなりに高難度だったりするので、メインストーリーで必要なレベル以上にキャラクターを育て上げることになり、プレイ時間もどんどん増えていく……。『ゼノブレイド』シリーズと言えば膨大なクエストやマップ探索などのやり込み要素が大きな魅力でもあるのだが、その魅惑の時間泥棒たちに今回もやられてしまった。うれしい悲鳴である(笑)。
バトルも容赦ない。マップは広大で、最初からさまざまな場所に行けるようになっているが、最初の街の近くにも高レベルモンスターがうろついていたりする。また、“二つ名”つきのユニークモンスターはレベルが低くても強いので、うっかりそういった敵に近付いてしまうとアッサリやられるし、ボス戦もかなり歯応えがある。もっとも、戦術の巧拙は中盤まではそこまで重要にはならず、レベルをしっかり上げていればだいたいは何とかなる。
レベルは、“休憩ポイント”でそれまで稼いだボーナス経験値を割り振る“訓練”でも上げられる。また、難易度を“イージー”にして進めるのもいいだろう。ただ、フィールドの敵が好戦的ですぐ警戒状態になるのと、ザコ敵でもかなり堅いのは気になるところ。
一方、マップは今回もものすごく広大である。しかも、思わせぶりにコンテナ(レアアイテムなどが入った宝箱のようなもの)が随所に配置してあって、「どうやって行けばいいのかな……」と気になってしまい、あっちをウロウロ、こっちをウロウロさせられてしまうのだ。もっとも、ストーリーが進まないと行けない場所にあるものも多い。ゲームだから当たり前なのだが、こちらがやる気を出すように上手く作られているものだ。
圧倒的にハイテンションのストーリー、歩いても歩いても埋めきれない広大な不イールド、過去作に負けないほどのボリュームのやり込み要素など、今回も長らく楽しませてくれそうだ。なお、週刊ファミ通の攻略班メンバーのひとりがクリアしているが、最後のほうはクリアーを優先して寄り道をスルーしたのだが、ゆうに70時間は越えているとのこと。すべてやり込むには100時間近く遊べそうで、楽しみである。
壮大なスケールで描かれる“世界”の作り込みがすさまじい!
Text by バーボン津川(本誌ライター)
『ゼノブレイド』シリーズといえば、広大な世界を冒険するのが魅力のひとつだろう。序盤なのに超高レベルのモンスターが徘徊していたり、息をのむような美しい光景が広がっていたりと、 探索するだけでワクワクする。そんな“世界”が広がっているのだ。
その魅力は、本作でも健在。序盤のうちは限られた場所しか移動できないが、物語が進行するとともに、広大なフィールドを探索できるようになる。『1』にも『2』にも用意されていた、「さあ、 ここから壮大な冒険の始まりだ」と言わんばかりの平原の景色が広がるような演出もあって、 ワクワク感も急上昇。実際にフィールドを駆けまわってみると、山を上っていったら違った景色が広がっていたり、エネミーどうしが抗争をくり広げていたりと、これまで以上に“世界”が作り込まれていると感じられた。気づいたら、本編のストーリーを置いて、何時間もフィールド探索に夢中になってしまうほど。もちろん、シリーズおなじみの“絶景ポイント”や、隠された通路といった要素も用意されているので、ついつい隅々まで探索してしまいたくなる。
そんな広大なフィールドだからか、これまでのシリーズ作品では迷ってしまうこともしばしばあった。 目的地となる場所に「どうやったらたどり着けるんだよ!」と嘆きながら何時間もさまよったというプレイヤーは少なくないはず。しかし、今作では、新たにフィールドのナビゲーションの機能が追加。目的地にたどり着くまでのルートが赤い光で表示できるようになり、迷うことなく探索できるようになっているのだ。この機能のおかげで、何層にも階層が分かれているフィールドも、スムーズに探索できるように。常時、迷子スキルを発動しているような自分には、本当に助かる機能で、実際に活用してみるとその便利さに感動してしまった。
バトルは、基本的な要素はこれまでのシリーズ作品を踏襲したものに。パートナーと合体してウロボロスへと変身する“インタリンク”、クラスアーツとマスターアーツの2種を組み合わせてくり出す“融合アーツ”など、本作から新たに追加された要素もふんだんに用意されているが、プレイフィールはこれまでのシリーズ作品と大きく変わらず、シリーズファンならすんなりと楽しめる作りとなっている。
注目したいのは、カスタマイズ要素の豊富さ。本作では“クラス”と呼ばれる概念が存在していて、クラスを変えると使用する武器、アーツなどが変更できる。さらに、クラスのランクを上げればほかのクラスに変更したときにも使用できるマスタースキル、マスターアーツが習得でき、パーティ編成の幅が広がっていく。
まだすべてのクラスのランクを最高まで上げるほどやり込めてはいないものの、初代『ゼノブレイド』のダンバンのような“超火力で敵のヘイトを奪って回避する盾役”といった尖った役割を持たせることもできそうで、スキルやアーツの組み合わせ、パーティ編成のバランスを考えるのがなかなかに楽しい。もちろん、発売してしばらくすると強い構成が広まると思われるが、自分なりに考えた強い構成を試すのも一興。とにかくいろいろと試せるぐらい自由度が高いのは、遊び手としてはうれしい限り。
もちろん、フィールドやバトルだけでなく、シリアスなストーリー展開にも注目してほしい。前作の『2』ではコミカル寄りな展開から、徐々にシリアスな展開へとスライドしていく作りだったが、今作では序盤からシリアスな雰囲気が全開。衝撃の展開の連続で、とにかく続きが気になる。序盤から伏線もたっぷり用意されていて「こいつは何者?」と、先の展開を予想しながら物語を読み進めるのも楽しい。
個人的には“キズナグラム”が復活したこともうれしい。コロニーのキズナを高めると住人どうしの関係性が鮮明になっていき、より深く『ゼノブレイド3』の世界観に浸れるのだ。「君たちじつは仲よかったの!?」とか、住人どうしの関係性が見えてくると、クエストへのモチベーションも高まるし、なによりも住民への愛着がわいてくる。NPCがただ会話をするだけ、クエストを受けるだけの存在ではなく、ひとりひとりにしっかりと設定が作り込まれているのは『ゼノブレイド』シリーズの魅力だろう。それを視覚化したキズナグラムが復活したのは、地味ながらうれしいポイントだ。
これまでに述べたように、フィールドを隅々まで探索したり、キャラクターのクラスのランクを上げたりと、やり込み要素がこれでもかと言わんばかりに用意されている。これまでのシリーズ作品もそうだが、今作もまさに“時間泥棒ゲー”といった具合。もちろん、メインストーリーだけを追いかけてというプレイも楽しめるので、とにかく物語を優先したいという人もご安心を。逆に自分のように、発生したクエストはすべてクリアーしないと気が済まないという人は、クリアーまでかなりの時間を要するかも……(うれしい悲鳴)。この夏は、『ゼノブレイド3』をじっくりと遊び尽くして過ごそうかな。夏が終わるまでに遊び終えられるか不安だけど(笑)。
からの記事と詳細 ( 『ゼノブレイド3』ふたりのライターが綴るレビュー。序盤からエンジン全開のシリアスなストーリー展開、壮大なスケールで作り込まれた“世界”など、本作ならではの魅力に迫る - ファミ通.com )
https://ift.tt/fSOYmKa
壮大な
No comments:
Post a Comment