
時田 綾子
世界史の教科書に必ずと言っていいほど載っている名前だが、どんな人物なのか、あまり知られていないマルコ・ポーロ。『東方見聞録』とセットで記憶されていることだろう。Netflixオリジナルドラマ『マルコ・ポーロ』(シーズン1&2各10話、特別編1話)は、13世紀にベネチアで生まれ、元朝の皇帝フビライ・ハーンに仕えた商人、マルコ・ポーロの若き日を描いたものだ。フビライの宮廷で繰り広げられる権謀術数、大平原で馬を駆る雄大な映像、華麗なカンフーの格闘シーンなど見どころが多い。
父に捕虜として置き去りにされるマルコ
17歳のマルコ(ロレンツォ・リチェルミ)は、商人である父・ニコロ、叔父・マッフェオと共に東へ向かった。長い旅の末、フビライ(ベネディクト・ウォン)が造営した都市カンバリク(現・北京)に到着するが、父は交易路の確保と引き換えに、「息子は陛下の僕(しもべ)です」と言って、マルコを置き去りにする。 マルコは「捨てられた」と思う。捕虜であり、賓客(ひんきゃく)でもあるマルコは、フビライの監視下で必死に生き延びていくことになった。乗馬をはじめ武芸の特訓を受け、フビライから「見たままを報告せよ」と命じられて領土内のあちこちへ派遣される。 観察眼に優れたマルコをフビライは重宝がり、2人は“疑似親子”のような関係になっていく。 若さゆえの情熱と誠実さで周囲の信頼を得るものの、異文化の考え方をすんなり受け入れることはできなかった。そんな中、マルコはフビライに滅ぼされたある王族の唯一の生き残り、蒼い王女(チュウ・チュウ)に心引かれる。
フビライの宮廷に囚われた多国籍な人々
フビライの宮廷には、モンゴル人以外にもさまざまな人々がいる。 名前でなく「ラテン人」と呼ばれるマルコ。 謎めいた行動を取る蒼い王女。 ムスリムのアフマド(マヘシュ・ジャドゥ)はフビライの膝下(しっか)で育ち、財務長官として重きをなしている。 宋の道教寺院にいた「百の眼」ことリー・ジンバオ(トム・ウー)は、皇太子チンキム(レミー・ヒー)の武芸の師匠であり、多くの武人を育てている。マルコも百の眼に鍛えられた一人だ。 それぞれ居場所を得ているが、“囚われの身”でもある。彼らは忠誠を尽くすのか、その衣の下にやいばを隠すのか―。
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