語る：済州島の悲劇「怒り」が小説へ ４０年以上かけ長編「火山島」シリーズが完結 金石範さん - 毎日新聞

「海の底から」を刊行した金石範さん＝東京都台東区で２０２０年３月１１日、佐々木順一撮影

　＜文化の森　Ｂｕｎｋａ　ｎｏ　ｍｏｒｉ＞

　１９４８年４月３日、米軍政下の朝鮮半島南端の島・済州島で、南北分断に抵抗した武装蜂起への武力弾圧「済州島４・３事件」が起きた。人口２８万人の島で約３万人以上の島民が虐殺されたといわれる。この事件を壮大なスケールで描いた在日朝鮮籍の作家、金石範さんの長編「火山島」シリーズが、４０年以上の年月をかけ、『海の底から』（岩波書店、２月刊）で完結した。金石範さんに「火山島」に込めた思いを聞いた。【聞き手・棚部秀行】

　－―７６年に連載が始まった「火山島」シリーズの完結ですね。

　こんなに長くなるとは思っていませんでした。「４・３事件」は５０年間、沈黙のなかにありました。だから書き続けなければならなかった。今では、事件の追悼式典に国家予算も出るようになりました。私は「解放」という言葉を使いますが、事件は一応「解決」したといえます。次は、済州島という局所的な話ではなく、大韓民国という国の成立の歴史的な問題として扱う必要があります。今回の『海の底から』で「火山島」としては完結…

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April 11, 2020 at 10:01AM
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