本能がなくても、学習意欲があるとこんな歩き方になるようです。
動物は生まれながらにして、どのように四本脚で歩けばいいのかを本能的に理解しています。ですが歩き方を知らないロボットの場合、人間がプログラミングをしなければなりません。では、人間が歩き方を教えなかったとしたら、ロボットはどう歩くのでしょうか?
それをGoogle(グーグル)、カリフォルニア大学バークレー校、ジョージア工科大学の研究者たちがAIにディープ・ラーニングさせ、四脚ロボットの成長を見守りました。
仮想シミュレーションは行なわない
ロボットの名前はRainbow Dash。一見したところMITの「Mini Cheetah」かな? と思うほど似ています。
AIの学習はコンピューター上で何万回ものシミュレーションを行なうことが多いなか、Rainbow Dashは現実世界でぶっつけ本番の歩行練習を重ね、歩き方をリアルに学習した、とMIT Technology Reviewが伝えています。
低反発マットの上ではワンコみたいに跳ねながら進むのがかわいいですね。学習後はゲーム用コントローラーで操縦しても上手に歩けるようになりました。
改めて動物の本能のすごさを知る
生まれたての子鹿みたいなぎこちなさですが、度重なる学習の結果、低反発の柔らかい足場や、溝だらけのドアマットの上でもそこそこ歩けるようになっています。これは将来的に、人間がいない場所でもロボットが自ら歩き方を取得することにつながります。たとえば、災害の起こった瓦礫やゴミだらけの環境でも、自分の判断で目的地へ進めるようになるのです。
しかしこれを見ていると、逆に動物が本能で当たり前に歩けるのがすごいと思わざるを得ません。
最小限の介入
Tech Xploreいわく、学習時に人間が手伝ったのは、歩行練習をするエリアから出ないよう柵を作ることと、Rainbow Dashが転ばないためのアルゴリズムを作り、転倒防止策を講じたことでした。いくらなんでも、壊れたら研究が続けられなくなっちゃいますからね。
研究者は、ここで作られたアルゴリズムを他のロボットや、同じ環境で同時に稼働させる複数のロボットにも使ってみたいと考えているそうです。
あたかも動物のように歩き方を学習する四脚ロボ…もし完成したら、人類が滅びたあとでも荒野で大繁殖した犬型ロボがいる世界が実現するかもしれませんね。そしてもし二足歩行型がゼロからの学習で歩けるようになったら、『ターミネーター』のように追いかけてくることになりそうです。
Source: YouTube, Cornell University, MIT Technology Review via Tech Xplore
"目的地" - Google ニュース
March 09, 2020 at 03:00PM
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