『鋼のメンタルを手に入れる ゴリラ式メタ認知トレーニング』(いっちー 著、ぱる出版)は、「メタ認知」を身につけて、「鋼のメンタル」を手に入れるための本なのだそうです。
ちなみに「メタ認知」とは、「自分を客観的に見る能力」のこと。
自分の姿を上手に客観視できるようになって初めて、「本当の自分」を理解できるようになります。「本当の自分」を理解すると、自らの能力を十分に発揮することができるようになり、メンタルも強くなります。 その結果、自信に満ち溢れ、周囲からの信頼も得られるようになります。(「まえがき」より)
著者によれば「メタ認知」とは、ビジネスや勉強、恋愛に至るまで、あらゆるものの基礎となっているもの。
その基礎がぐらついていると、当然のことながらなにもうまくいかず、メンタルも弱ってしまうことになるかもしれません。
しかし「メタ認知」によって「本当の自分」を客観視できれば、「鋼のメンタル」が手に入るというのです。
著者は精神保健指定医、日本精神神経学会専門医として、何万人もの患者の支援をしてきたという人物。
その一方、ツイッターやYouTubeなどのSNSを利用し、多くの人々の精神・心理に関する疑問や悩みに回答しているのだといいます。
ちなみに本書で伝えようとしているのは「ゴリラ式メタ認知」なのだとか。
・ゴリラはわたしたちにとても似た存在である。
・ゴリラは本能で動く。それはつまり「心理」である。
・ゴリラの助けを借りた「メタ認知」の方法を「ゴリラ式メタ認知」と名づける。
(103ページより)
この考え方を頭に置いたうえで、第4章「『ゴリラ式メタ認知トレーニング』の実践」から基本的な要点を抜き出してみましょう。
まずはゴールから考えよう
「ゴリラ式メタ認知トレーニング」を実践するにあたり、まず大前提として「自分のゴールはどこか?」ということを考えておく必要があると著者は主張しています。
なんにせよ、ゴールから逆算して考えたほうがうまくいくことが多いから、というのがその理由です。
メタ認知は、もっとも効率的な方法で行動を修正していくスキルです。 メタ認知で自分の場所は把握できても、進むべき目的地が見えていなければ、どこに向かえばいいのか、どのように行けばもっとも効率的なのかがわかりません。
ということは、ゴールが見えていなければ、正しい方向がわからず、効率的な行動を取ることができません。 ですから、最初に自分のゴールを明確化することが非常に重要なのです。 (143ページより)
なお重要なポイントは、「目的」と「目標」を混同しないことだそう。
「目的」とは、文字どおり「目」で見える「的(まと)」のこと。すなわち放たれた矢が到達する「的」のように、“最終的に自分が到達したいゴール”です。
一方の「目標」は「目」で見える「標(しるべ)」。つまり、ゴールまでの道中に立つ「道標(みちしるべ)」のことを指すということです。
したがって、「目的」は長期的なものであり、「目標」は短期的なものに設定されることが多いはず。
勉強にたとえるなら、「自分にとってもっとも重要な『目的』は、テストでいい点を取って内申点を上げることなのか」「希望の学校に進学することなのか」と、“自分の本当のゴール”を最初のうちに把握しておくことが重要になってきます。
もしも志望校への進学が目的なら、内申点だけがよくても、その学校の傾向に合わせた入試対策がされていなければ進学は難しくなるということです。
しかし、途中の「目標」を無視し、ゴールである「目的」だけにこだわりすぎるのも考えもの。
なぜなら進学したい学校の入試対策をしっかりやっていたとしても、普段のテスト成績がいいかげんだったり授業態度が悪かったりすると、内申点の評価に響き、志望校の入試に影響するからです。
すなわち、メタ認知を行い自分の置かれている状況を把握し、目的をしっかり見据えたうえで、目標を設定しながら努力するのがもっとも合理的なのです。(145ページより)
それは登山家がGPS(=メタ認知)を使いながら、道しるべ(=目標)を手がかりに山頂(=目的)を目指すようなもの。
そうすれば、しっかりと安定した足取りで進めるという考え方です。(142ページより)
自分ルールは「ゴリラ思考」で打破しよう
ところで、「ゴリラ式メタ認知トレーニング」とはどのようなものなのでしょうか?
著者によればそれは、「迷ったらゴリラに聞いてみる」「『こんなとき、ゴリラならどうするかな』」と考えてみることなのだそうです。
ゴリラは本能にしたがって行動します。 自分がやりたいと思ったことをやります。「失敗したらどうしよう」だとか、「まわりの人からどう思われるだろうか」などと思い悩むこともありません。
逆に、リスクやストレスを感じたり、恐怖を覚えたりするようなことからは本能的に距離を取ります。つまり、もっとも合理的に“正解”を選択できるのです。
こだわりや偏見を捨て、「ゴリラならどうするか、生き延びるために何を選択するか」と、あなたの心の中のゴリラに問いかけるだけで、メタ認知につながるのです。(151~152ページより)
人の思考は、思い込みや偏見、しがらみなどに縛られているもの。
だからこそ、失敗や迷いが生じたときに大切なのは、「外的な要因が関係していないか」「自分のこだわりで選択肢を減らしていないか」と客観的に考えること。
つまり“ゴリラ目線”で考えることによって、合理的な選択を行えるようになるということ。
それが著者の勧める「ゴリラ式メタ認知トレーニング」だというわけです。(151ページより)
こうした基本的な考え方に基づいて、以後は「ゴリラ式メタ認知トレーニング」の活用法がわかりやすく解説されていきます。
メンタルの弱さに悩んでいる方は、手にとって実践してみてはいかがでしょうか?
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Photo: 印南敦史
Source: ぱる出版
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February 25, 2020 at 01:30PM
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