第73回カンヌ国際映画祭、第47回セザール賞に加え、第93回米アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考を突破した『GAGARINE/ガガーリン』。圧倒的な映像美と世界観を持つ、フランス・パリ郊外を舞台にしたエモーショナルな青春映画から、男女2人組の監督ユニット、ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユのインタビューが到着した。
>>『GAGARINE/ガガーリン』あらすじ&キャストはこちらから
ジェレミーは、本作を製作するに至った経緯について「建築家の友人が、ガガーリン団地の解体プロジェクトに携わっていて、興味が沸いたんだ」と言い、ファニーも「パリには色んな場所があるように、世界には、様々な街がある。その中には評判がかなり悪い地域も存在する。その地域に住む住民はその印象に苦しんでいる人が多く、特に若者たちは苦しんでいる。我々はそこに住む若者の新たなストーリーを作りたいと思っていたし、その場所で夢を抱いているヒーローを生み出したいと思っていた」と語る。
そして「ガガーリン団地に行ったとき、このやがて消えゆく団地と、我々が考えていたアイディアを結びつける美しいストーリーが描けると思った」と、特定の地域に住む子供たちのステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いたことが撮影のきっかけだと述べる。
パリ郊外を描いた映画は、フランス語で郊外を意味する“バンリュー映画”というジャンルで一括りにされることもあるが、「それは違うと思っている」とジェレミー。「そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」と言う。
「団地に住む子供たちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって“団地は宇宙船”で“宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来る”と思ってい る、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と、『はちどり』(20)や『mid90s ミッドナインティーズ』(20)など、様々な国で描かれてきたテーマと同様に、普遍的な体験ともいえる“思春期からの脱出とアイデンティティの葛藤の物語”であるともいう。
また、本作の制作にあたって参考にしたクリエイティブに関して「デヴィッド・ボウイの曲『スペイス・オディティ』にも影響を受けた」「ユーリが宇宙服を着て赤いライトに照らされているシーンは、曲を聴きなが ら、彼が宇宙飛行士である事をどれほど誇りに思っているかを見せられるように作った」と語り、「ほかにも、『2001年宇宙の旅』、『ブレードランナー』、『惑星ソラリス』を参考にしている。もちろん本作はSF映画ではないし、リアリティに基づいた映画だが、ユーリのようにヒーローに憧れ、信じ続ければ宇宙に行けるのだという事を伝えたいと思った」「同時に、団地を宇宙船ぽく見せたいと思い、そのように見えるシーンを作ったん」と、ジェレミーが明かしている。
監督たちが語るように、住居でありながら壮大な宇宙船を思わせる解体前の“ガガーリン団地”で実際に撮影された本作。観客の心を震わす、みずみずしいエモーションと独創的なイマジネーションに満ちた映像世界が広がった作品となっている。
『GAGARINE/ガガーリン』は2月25日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。
からの記事と詳細 ( 『はちどり』『mid90s』と同じ10代の物語『ガガーリン』監督ユニットのインタビュー到着 | cinemacafe.net - cinemacafe.net )
https://ift.tt/B0Z6z8h
壮大な
No comments:
Post a Comment