12月2日で、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」は国内発売から15年を迎えます。ゲーム機の高性能化を追求する時代、“業界の常識”を否定して「操作端末のリセット」というアイデアを提示。新規層を獲得して一度は奪われた据え置き型ゲーム機の“王座”を奪還し、ゲームの可能性と間口を広げました。その歩みを振り返ってみましょう。
Wii本体購入者の約8割が買った「真の怪物」ソフト
「Wii」は、テレビのリモコンのように見える異色のコントローラー「Wiiリモコン」が特徴の家庭用ゲーム機です。Wiiリモコンをテニスのラケットや野球のバットに見立てて振り回せる人気ソフト「Wii Sports」は、世界で8290万本を販売しました。実にWii本体購入者の約8割が買っている計算です。
ニンテンドースイッチで世界的に大ヒットをした「あつまれ どうぶつの森」(9月末時点で3485万本)の約2.4倍。「真の怪物」というのがふさわしい実績でした。
もちろん「マリオカートWii」(3738万本)や「New スーパーマリオブラザーズ Wii」(3032万本)、「大乱闘スマッシュブラザーズX」(1332万本)といった定番ソフトも人気を博しました。
しかし、ボードの上でポーズを取る健康ソフト「Wii Fit」(2267万本)のように、革新的で従来にないソフトを提案。その上で大ヒットしたことこそ、Wiiの真骨頂でしょう。
「リモコンを振り回す未知のゲーム」に当初は厳しい予想も…
Wiiは、従来のゲームにない遊びを提示したため、ゲームを遊ばない消費者が買い求めました。一般層に広げるため、プロモーション戦略を含めたうまさもありました。
そもそも発売前は、リモコンを振り回すという未知のゲームだけに、ゲームファンには総じて不評でした。理由は、ライバルに比べて、ゲーム機自体の飛躍的な性能のパワーアップがなかったこと。Wiiリモコンの魅力が実際に触らないと伝わらなかったためです。また、手の内をライバルに明かさなかったので、Wiiリモコンの披露は本体の発表に比べてずっと後になり、ベールに包まれて実態がよくわからなかったこともあげられます。
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