
「おかえりモネ」に物足りなさを感じる人もいるかも知れない。安達奈緒子さんの脚本には対立劇がないし、見る側を無理に泣かせたり、笑わせたりもしない。男と女がすぐに「好き」「嫌い」と口にすることもない。 また多くを説明せず、見る側に想像力と考えることを求めているから、ながら視聴には向かない。もっとも、それが安達さんの脚本の真骨頂である。代わりに圧倒されるようなリアリティがある。 7月5日から9日の第8週も無理に泣かせようとはしていなかったが、涙を抑えられない人が少なくないのではないか。漁師・及川新次(浅野忠信、47)の苦悩が描かれた。 新次はモネこと永浦百音(清原)の幼なじみである亮(永瀬廉、22)の父。銀行員であるモネの父・耕治(内野聖陽、52)の親友で、かつては腕利きの漁師だった。けれど、2011年3月11日の東日本大震災に何もかも奪われた。 買ったばかりの漁船は津波に流され、1億2800万円の借金だけが残った。家も消えた。だが、そんなこととは比べものにならないほど大きかったのが、長年連れ添ってきた恋女房・美波(坂井真紀、51)を失ったことだった。 震災から5年が過ぎたが、新次は酒浸りである。どうしようもない状態だ。とはいえ、苦楽を共にしてきた配偶者やパートナーが突然いなくなったら、平静でいられる人はいない。酒に逃げたくなるのも分かる。責められない。あとは、いつ立ち直れるか。一生、酒浸りの人もいる。 だが、新次は立ち直ろうとしていた。モネの母・亜哉子(鈴木京香、53)の助力もあり、病院に通って断酒補助薬を飲んでいた。ところが、スリップ(再び酒を飲んでしまうこと)してしまう。その理由の描き方が安達さんらしかった。
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