航空自衛隊岐阜基地を舞台にしたアニメ「ひそねとまそたん」。主人公の新人隊員「甘粕ひそね」は、F15戦闘機に擬態するドラゴン(まそたん)のパイロットに任命される。壮大なファンタジーとともに、基地内の建物や日常風景がリアルに描かれている。
ひそねが所属する「飛行開発実験団(通称・飛実団)」は実在の組織。岐阜基地の駐機場には、F2戦闘機やC1輸送機(アニメではドラゴン)が並ぶ。爆音とともに、フライトを終えたF15が戻ってくると整備士たちが掛け寄り、機体の"声"を聞いて不具合がないか確かめる。
劇中、まそたんと初飛行したひそねは、空からの美しい光景に心を打たれ、「ここには自分にしかできないことがあるかも」と決意を新たにする。実際の岐阜の空は―。
「生まれ育ったまちでのフライトはやはり格別」。川瀬元佑(もとひろ)1等空尉(37)は各務原市出身。岐阜基地を飛び立つ戦闘機を見上げて育った。「道路や学校、地上から見ていた景色を上空から見た時は感慨深かった」と語る。アニメのテーマの一つは、搭乗員とドラゴンとの絆。「機体によって"くせ"はある。フィーリングが合う機体は愛着を感じる」
川瀬1等空尉は、スクランブル発進など緊迫の場面で活動する第一線勤務を経験。今は、飛実団のテストパイロットとして戦闘機の試験・開発に携わる。「誰が乗っても能力を発揮できる、より強い機体を造る。それが将来の国防につながる。岐阜基地はそれができる唯一の場所」と自分の役割をかみしめる。
一方、基地の「第2補給処」エリアには、ひそねたちが女子会を開く居酒屋「はなの舞」など、アニメに登場する世界が広がる。洗濯機のある屋外の「休憩スペース」は、ひそねと男性整備士が鉢合わせ、恋心を加速させる場所。劇中で漬物ステーキ定食も登場した食堂。現実の人気メニューは、から揚げで「空自では『空上(からあ)げ』の表記です」と、広報担当の森川翼3等空曹(27)。手羽先風、四日市トンテキ風、鶏ちゃん風の三つの味の空上げが、1本の串に刺さった岐阜基地限定「東海3県串空上げ」が好評だという。
エリアの一角には、ファンなら見覚えのある三角屋根の古めかしい外観の巨大な建物。まそたんがいた「第8格納庫」だ。実際は第2補給処の倉庫として使われているが「中身は言えません」(森川3等空曹)。耳をすませば、まそたんの鳴き声が聞こえてくるかもしれない。
【作品紹介】
2018年4~6月に放送、全12話。航空自衛隊岐阜基地を舞台に「戦闘機などに擬態するドラゴン」と女性搭乗員たちの交流を描いたテレビアニメ。「新世紀エヴァンゲリオン」や「シン・ゴジラ」を手掛けた樋口真嗣氏が総監督を務めた。
からの記事と詳細 ( 空を飛ぶ喜びと使命感 アニメ「ひそねとまそたん」聖地・空自岐阜基地 - 岐阜新聞 )
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壮大な
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