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Saturday, June 12, 2021

記憶なくすくらい忙しかった10代…堂本光一42歳、たどり着いたのはシンプルなこと - 読売新聞

 堂本光一が、新作「PLAYFUL」(ジャニーズ エンタテイメント)を出した。KinKi Kidsのメンバーとして活躍する中、ソロアルバムは約6年ぶり。人気ゲームを制作するスクウェア・エニックスとタッグを組むなど挑戦に満ちた作品だ。「自分自身がワクワクする感覚が顕著にあらわれた。それがなければ作ろうとは思わなかった」と語る。(池内亜希)

 「グループではコンセプト(基本理念)をもって作ることもあるけど、ソロの音楽は本当に“自分表現”。なかなか、自分を表現したいという思いになれなかった。それも理由で、最近は自分で曲も作らなくなって」。リリースが久々となった理由を、こう明かした。

 そんな状況を変えたのは一つの出会い。堂本の舞台を訪れたスクウェア・エニックス社長が「新しいエンタメを一緒にできないか」と発案し、共に制作を始めたことが刺激になった。「新しい何かが生まれるかもしれない」と思えた。

 同社サウンド部の水田直志作・編曲のインスト曲「(ファイブ)」は、壮大な物語が進行していくようなドラマチックな雰囲気。詳細は明かせないとしつつ、今後の展開が期待される曲だ。

 この曲では、生身とコンピューターグラフィックス(CG)の堂本が共演し、人間と物のの争いを描く映像作品「V Short Movie」(「初回盤A」収録)を制作した。どれが生身の堂本か分からない精密さで、髪の毛一本までこだわって仕上げられた。人気ゲーム「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズにも携わった同社の野末武志らとの作業は面白かった。「自分は、現実世界でいかにファンタジーを作り出せるかと、やってきた。不可能なことはそぎ落としながら。でも、CGの世界は無限大。野末さんたちの頭の中の可能性も無限大だったんです」

 他の収録曲も、「今の自分が表現したらどうなるか」と駆り立てられたものを集めた結果という。堂島孝平作の「Way To Dark」などもあるが、海外の作家による楽曲が多い。「Tik Tik Tik」では妖艶ようえんにテンポ良く高音を聴かせ、「Time to go」では疾走感あるサビが印象深い。「海外のクリエイターはデモ音源から作り込んでくる。複雑で主旋律が分かりにくい曲もたくさん。ライブではややこしいけど、自分は、作り込んだ先にある遊び心に魅力を感じるので」

 今後を尋ねると、笑顔で「何も考えてない」と一言。「いい意味でのプレッシャーはある。ただ、何年か後はこうしていたいっていう感覚では生きてなくて。その時に関わっていることに妥協なくいたくて」

 若くして絶大な人気を得た。けれど、「10代は記憶をなくすくらい忙しくて、今思えば、仕事一つ一つに向き合えていなかったという後悔がある。そんな後悔、もう、したくない」。KinKi Kidsで1997年にデビューし、今、42歳。たどり着いたのは、シンプルなことだった。「今やっていることにちゃんと向き合っていけば、おのずと何らかの道は切り開かれていくんです」

 アルバム発売に先駆け、堂本と、「V Short Movie」の映像プロデュースなどを担当したスクウェア・エニックスの野末による記者会見が行われた。楽しく語り合う2人からは、互いを尊敬する思いが感じられた。

 堂本は、同社の「FF」シリーズの愛好者。同社員たちからは、「何か一緒にしたい」と長年言われていたそう。堂本は「FFXIを7年ほどやり続け、実際のプレー時間が(合計で)3年だった、というくらい好き。ゲームの中では食事作りのスキルを上げていたが、リアルでは飯も食べていなかったほど」と笑顔を見せた。

 野末は、本格的に制作が始まる前に堂本の舞台を鑑賞した。「これは生半可なものじゃダメだと。歌いながら、踊りながら、殺陣もやって、この人はCGなんじゃないかと思った。なんていう人を相手にしたんだと、プレッシャーも覚えた」

 制作中は、趣味や休みの日の過ごし方など、たわいないやり取りをしながら、アイデアを膨らませたという。堂本は「2回目の打ち合わせで、(自分がどこかに)飾りたいクオリティーの画像を50枚くらい出してくれて。なんじゃこりゃと。どこまで広がっていくんだと、僕も緊張した」と振り返った。

 舞台演出も手がける堂本から学ぶことも多かったと野末。「この音はこうしたらよく響くとか、広い視点でいいアドバイスをもらえた。こっちもやる気になり、ものも良くなっていった。FFのファンにも手に取ってもらいたい仕上がり」と自信をのぞかせる。堂本も「常に先を見て制作する姿はすごいとしか言えない。僕も負けてはいられないです。(CGではなく)生身ができる可能性も広げていきたい」と話していた。

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