AMDは6月22日(米国太平洋時間)、クロスプラットフォームの空間超解像技術「AMD FidelityFX Super Resolution(FSR)」の提供を開始した。既に40のゲームメーカーが同技術への対応を表明しており、同日には7つのゲームタイトルが対応した。今後、対応タイトルはさらに増える見通しとなっている。
FSRの概要
FSRは、AMDが提供するオープンソースの画質ツールキット「AMD FidelityFX」の新要素として提供される。Super Resolution(超解像)の名前の通り、低解像度の映像をより高い解像度でキレイに出力する技術だ。
グラフィックスの描画は、解像度が高いほどGPUへの負荷が大きくなり、フレームレート(秒間の描画回数)も減る。これはグラフィックスカードのベンチマークテストの結果を見れば明らかなことである。
一方で、描画する解像度を下げればGPUへの負荷は下がり、フレームレートも向上する。FSRは、描画解像度を下げたことによる画質低下を超解像技術でカバーすることで、GPUパフォーマンスが低い環境でも、より高い解像度とフレームレートを実現する。AMDによると、4K(3840×2160ピクセル)をネイティブで(そのまま)描画する場合と比較してパフォーマンスが平均2.4倍向上するという。
AMDが「The Riftbreaker」(EXOR Studios)で示したサンプル。描画解像度を4KからWQHD(2560×1440ピクセル)にするとフレームレートが約1.95倍向上する。そこにFSRを組み合わせると、フレームレートをほぼ維持したまま4Kネイティブ描画に近い画質を得られるFSRはマルチプラットフォームであることが特徴だ。グラフィックスAPIはDirectX 11/12に加えてVulcanにも対応する。OSはWindowsに加えてLinuxもサポートする。
FSRは、自社製の「Radeon RX 460/470/480」以降の独立GPU、Ryzen 2000シリーズ以降のAPU(GPU統合CPU)に加えて、NVIDIA製の「GeForce GTX 10/16シリーズ」や「GeForce RTX 20/30シリーズ」もサポートしている。自社製のCPUやGPUで“固めた”PCでなくても、超解像技術によるパフォーマンスアップの恩恵を得られることが魅力である。
FSRは「Radeon RX 6900 XT」を始めとするRadeon RX 6000シリーズや、その先代のRadeon RX 5000シリーズで最も効率的に働くという
もちろん、先日発表されたRadeon RX 6000Mシリーズでも効果はてきめんだ。デスクトップPCと比べると高性能なGPUを搭載しづらいノートPCでこそ、FSRは生かせる機会が多そうである先述の通り、FSRはFidelityFXの一部として提供される。FidelityFXはAMDのオープンソースプロジェクト「AMD GPUOpen」でも提供されており、7月中旬をめどにGPUOpenに参加している開発者もFSRを利用できるようになる。
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