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Sunday, April 4, 2021

EV用電池市場、欧州勢が次のトップか-供給網をゼロから構築の動き - ブルームバーグ

電気自動車(EV)販売が2年連続で世界一になると見込まれる欧州で、車載用電池のサプライチェーンをゼロから構築する壮大な動きが広がっている。

  欧州は数年前に外国企業に道を譲ったEV用バッテリー事業を今度はてこ入れする考えだ。中国の寧徳時代新能源科技(CATL)や韓国 LG化学の牙城切り崩しを狙う欧州横断的な競争の中で、北欧やドイツ、フランス、英国、ポーランドの有望なメーカーが台頭している。

  少なくとも61億ユーロ(約7900億円)の国家支援やわずか1年で10倍に達した投資計画に後押しされ、欧州の首位争いが本格化している。そのレースに参加しているのはスウェーデンの ノースボルト、英国のブリティッシュボルト、フランスの オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)などのスタートアップ勢や、米テスラや独フォルクスワーゲン(VW)といった大手だ。

  ブルームバーグNEFの予測によると、世界の電池生産で欧州のシェアは昨年の7%から2030年までに31%に上昇する可能性がある。

Battery Battle

Europe will have a third of global production by 2030

Source: BloombergNEF

  欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長(機関間関係・先見性担当)はインタビューで、「われわれは欧州で新たな産業を生み出しつつある。完全に新しいエコシステムだ」とした上で、「投資が実際に進んでいる」と語った。こうした投資は原材料や電池から組み立て、リサイクルまでサプライチェーン全体をカバーしている。

  VWは先月、独ザルツギッターなど欧州6カ所の 電池工場建設と急速充電ステーション網拡大に向けた推定180億ドル(約2兆円)規模の計画を発表し、優位な地位確保に向けて動いた。BNEFによると、計画が順調に進めば、VWとその提携先はCATLに次ぐ世界2位の電池メーカーに浮上するとみられる。

Powering Up

After years of ceding ground to Tesla, CATL and LG Chem, plans for battery factories are popping up across Europe amid surging EV sales

Source: Company statements

  テスラの元幹部が設立した新興のノースボルトは競合相手の数年先を行っている。同社はVWと140億ドル規模の 供給契約を結んでおり、BMWとも取引がある。シェレフテオの工場で年内の量産を準備中だ。創業者のピーター・カールソン最高経営責任者(CEO)は30年までに欧州電池市場で25%のシェアを確保する考えを示している。

  一方、ブリティッシュボルトは年内にイングランド北東部で26億ポンド(約4000億円)規模の工場建設を開始する 計画だ。工場は23年までに稼働する可能性がある。

Electric Growth

EV sales are set to take off this decade

Source: BloombergBNEF

原題:
The Next Electric-Car Battery Champion Could Be European(抜粋)

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