富士山のふもと、静岡県裾野市で2月、暮らしを支えるモノやサービスが情報通信技術でつながる実証都市「ウーブン・シティ」が着工される。トヨタ自動車がNTTなどと連携し、東京ドーム15個分にも及ぶ広大な敷地に築く。人が暮らしながら自動運転やロボットなど先端技術を検証。“コロナ後”の暮らしを現実化してみせる壮大な計画が始動する。
トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地に建設。「ウーブン」は「織られた」の意で、道が網の目のように織り込まれた街だ。先端技術で環境に配慮したスマートシティーの実現をはかる。企業や研究者が幅広く参加。通信システム搭載のコネクテッドカー(つながる車)や自動運転などの分野をはじめ、AI(人工知能)などの技術検証を進める。初めは高齢者や子育て世代の家族ら360人程度が住むことを想定している。
街は区画(1区画=1辺の長さ150メートルの正方形)で分けられ、地上に3種類と、地下にも道を用意。地上の3種類は、自動運転、歩行者、歩行者と小型モビリティーから成る。地下でも自動運転をテストする方針だ。
住民は情報技術を駆使した「スマートハウス」で生活し、室内用ロボットと共に暮らす。自動的に冷蔵庫内の食品補充やゴミ捨てが行われるほか、住民の健康状態も確認し、情報を蓄積。情報を医療や介護機関と共有することで、最適な治療につなげることも可能になる。また、移動店舗や乗り合いバスとしても使えるトヨタの箱型の自動運転車「イー・パレット」が荷物輸送に活躍する。
ここで鍵を握るのがデータ。運転、買い物など普段の生活で集まる膨大な量のデータを、AIが分析。より便利で豊かな生活を送れるよう人を支えていく。第5世代通信規格「5G」や6Gを見据えた通信インフラの整備もはかられる。
建物は主に木材で造られ、屋根には太陽光パネルを設置。政府の2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする政策「カーボンニュートラル」とも結びつく。地下には燃料電池発電や雨水ろ過システムなどのインフラを整える方針だ。
コロナ禍で大きく変わった生活様式。デジタル技術はコロナ禍に見舞われた社会の打開策となり得るのか、挑戦が始まる。ウーブン・シティが描く新たな未来に希望を託したい。【田口雅士】
からの記事と詳細 ( AI駆使 “コロナ後”の壮大な計画始動 トヨタの実証都市「ウーブン・シティ」 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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