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Sunday, December 6, 2020

第10世代Intel CPU搭載! 初めてのゲーミングPCにぴったりな「XA7C-G60S」を試す - ITmedia

 サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA」シリーズ。この7月にフルモデルチェンジが発表され、エントリー向けの「R」、ハイエンド向けの「Z」などにラインアップが改められた。

 このXA7C-G60Sは、ミドルレンジで数多くのモデルが用意される「X」シリーズに属した最も安価なモデル(税別11万9980円)ながら、8コア16スレッドで動作するIntel第10世代CPUのCore i7-10700Fと、グラフィックスカードにGeForce GTX 1660 SPUER(グラフィックスメモリは6GB)、メモリを16GB搭載するなど、スペックは手堅くまとまっている。

 リニューアルに伴ってケースも刷新され、サイドパネルはクリア仕様に、前面には青いLEDが輝き、5インチドライブも搭載可能となっている。今回はその性能を、ベンチマークソフトと実際のゲームプレイで検証する。

XA7C-G60S サードウェーブのゲーミングPC「GALLERIA」に属する「XA7C-G60S」。側面にアクリルパネルがあり、中が見えるようになっている。写真はガンメタリック塗装が施されたSK-Standardだが、アルミパーツを採用したSK-Premiumに変更することも可能だ

エアフローを考えながらもすっきりとした新ボディー

 ボディーは、ATXサイズのマザーボードを搭載できるミドルタワーケースで、約220(幅)×440(奥行き)×480(高さ)mmとなる。ASUS JAPANのマザーボード「PRIME H470-PLUS」が採用されており、チップセットはミドルレンジのIntel H470となる。

 入出力ポートは、前面にUSB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンドの入出力端子があり、背面にはマザーボード側でUSB 2.0×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB 3.2 Gen2×2(Type-A×1、Type-C×1)、PS/2端子(マウス/キーボード兼用)、DisplayPort×1、HDMI×1、GPU側でHDMI×1、DisplayPort×1、DVI×1といった構成だ。

XA7C-G60S XA7C-G60Sの背面。マザーボード側のDisplayPort端子やHDMI端子は利用できず、グラフィックスカード側を利用する形になる

 エアフローは前面から吸気をしてCPUクーラーを通り、背面と天面へ排気する仕様となっており、内部は広めで作業スペースも広い。電源は個別のスペースに収められていて、GPUを搭載するスロットは外側から挟み込む形で固定されている。

 また、2基ずつの3.5インチベイと2.5インチベイには右側面のカバーを外すことでアクセスできる。5インチベイの空きが1基あり、BTOではDVDスーパーマルチドライブやBlu-rayドライブの増設にも対応している。マザーボード上に2基のM.2スロットもあり、ドライブの構成は選択肢が豊富だ。

XA7C-G60S XA7C-G60Sの内部

 見た目もすっきりとしたデザインが美しく、デスクサイドにも収まりがいいだろう。前面パネルにはLEDイルミネーションが仕込まれており、電源を入れると青く発光する。ASUS製のユーティリティー「Armoury Crate」を使えば、発光パターンや色の指定などが柔軟に行える。

 また、机の下に置いた際に扱いやすいように、前面のインタフェースは45度の傾斜がついている。VR HMD用のHDMI端子やUSB Type-C端子こそ持たないが、USB 3.2 Gen1端子が4基、ヘッドフォンとマイク用の3.5mm端子がそれぞれ並んでいる。

 吸排気を行う天面と底面にあるメッシュパネルは工具を使わずに取り外しが可能で、メンテナンス性も良好だ。

XA7C-G60S XA7C-G60Sの正面上に用意されているポート類
XA7C-G60S M.2 SSDはグラフィックスカードの下に配置されている。もう1基のM.2スロットはCPUソケットの直下にある
XA7C-G60S グラフィックスカードはPalit製のカード長が短いものだが、ケースには30cmクラスのカードも内蔵できる

最新CPU×ゲーム向けGPUで安定のパフォーマンスを獲得

 冒頭で述べたように、本機にはIntelの最新CPUであるCore i7-10700Fと、グラフィックスカードとしてGeForce GTX 1660 SUPERを搭載している。GPUは最新のGeForce RTX 30シリーズではないものの、フルHDの解像度なら最近生まれたAAAタイトルも楽しめる。

 ストレージは512GBのM.2 NVMe SSDを搭載する。メモリは16GBとなっているが、BTOメニューで32GBはもちろん、128GBまでの増設にも対応している他、HDDの増設も選べる。ケース内部は作業スペースが広くとられているため、まずは標準構成のままで購入して、性能や容量などに不満が出てきたら思い切って自分で増設してみる、といったことも可能だ。

XA7C-G60S CPU-Zで取得したCPUの情報
XA7C-G60S GPU-Zで取得したGPUの情報

 次に、ベンチマークテストで本機の性能を検証してみよう。

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CINEBENCH R20でテストする

 まずはCGをCPUの力で処理し、その処理能力をスコアで表示するベンチマークソフトのCINEBENCH R20を実施した。マルチコアでの処理能力だけでなく、シングルコアのみで計測することも可能だ。

  • CINEBENCH R20:マルチコア3502pts、シングルコア492pts
XA7C-G60S CINEBENCH R20のテスト結果

 8コア16スレッドで動作するIntelの第10世代CPUであるCore i7-10700Fを採用するだけに、マルチコアのスコアは非常に良好で、動作クロックが必要なゲーム用途だけでなくコア数を必要とするクリエイティブ用途においても優秀な性能を発揮するだろう。

CrystalDiskMark 7.0.0

 続いて、ストレージの読み書き速度を検証する「CrystalDiskMark」と、ストレージの情報を表示する「CrystalDiskInfo」だ。大容量のデータを読み書きする「シーケンシャル読み出し/書き込み(SEQ)」と、多種のデータをランダムに読み書きする「ランダム読み出し/書き込み(RND)」を検証する。

XA7C-G60S CrystalDiskInfoの結果、評価機のSSDはPHISON「PS5012-E12S-512G」だった
XA7C-G60S CrystalDiskMarkの結果。PCIe 3.0接続としては十分な速度を確保している

 CrystalDiskMarkの結果から分かるように、PCIe 4.0接続にはおよばないものの、NVMe接続のSSDとして申し分ない速度だ。PCの起動や、ゲームのロードも早い。もし多くのゲームタイトルを楽しみたいと考えている場合は、データドライブとしてのHDDをあらかじめ追加して購入するといいだろう。

3DMarkとPCMark 10

 3Dグラフィックスの処理性能を検証する「3DMark」では、DirextX 12ベースの「Time Spy」と描画解像度をWQHD(2560×1440ピクセル)に引き上げた「Time Spy Extreme」を実行した。結果は以下の通りとなる。

XA7C-G60S Time Spyのテスト結果
XA7C-G60S Time Spy Extremeのテスト結果

 ゲーミングPCとしては標準よりは高めなスコアで、最新CPUを採用した効果が出ているといった印象だ。WQHD以上の解像度、例えば4K(3840×2160ピクセル)でのゲームプレイは厳しい場面があるだろうが、フルHDの解像度で遊ぶのであれば問題はない。

 さらに、DirectX 11ベースの「Fire Strike」、解像度をWQHDに引き上げた「Fire Strike Extreme」、さらに解像度を4Kに引き上げた「Fire Strike Ultra」を実行した。

XA7C-G60S Fire Strikeのテスト結果
XA7C-G60S Fire Strike Extremeのテスト結果
XA7C-G60S Fire Strike Ultraのテスト結果

 こちらのスコアも標準レベルよりは高めで、ゲーミングPCの入門機としては十分なスコアを記録している。ベンチマークソフトのスコアというと高級なフラッグシップモデルのものが取り上げられがちだが、比較的手に入れやすいスペックとなる本機のようなモデルでも、良好な値を獲得している。

 そして、PCのアプリケーション実行やWebブラウジング、3Dグラフィックス性能といった総合的な性能を評価する「PCMark 10」を実行した。PCMark 10は、普段の一般的なPC作業において、どれだけ処理性能があるかを評価してくれる。

  • PCMark:6716
  • Essentials:1万341
  • Productivity:9031
  • Digital Content Creation:8805
XA7C-G60S PCMark 10のテスト結果

 第10世代Coreの実力だろうか、CPUの処理能力が必要なアプリケーションの起動やCGレンダリングの速度がとても早い。画像処理や動画編集においても、頼もしい実力を発揮してくれるだろう。

 また、参考としてミドルレンジクラスのPC向けベンチマークである「Night Raid」と「Sky Diver」も実行した。こちらは一般的なPCやノートPCとの比較として使われている。

XA7C-G60S Night Raidのテスト結果
XA7C-G60S Sky Diverのテスト結果

 続いて、ゲームタイトルを使ったテストを行った。

「FFXIV」と「FFXV」のベンチマークでテストする

 ここからは実際のゲームタイトルをベースとしたベンチマークテストのスコアも確認する。まずは「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」だ。標準品質、高品質、最高品質の性能を、フルHDと4Kの解像度で計測した。

 結果だが、全ての解像度と設定で「快適」以上の指標を獲得でき、フルHD解像度の「最高品質」では平均フレームレートが107fpsとなった。4K解像度の「最高品質」での平均フレームレートは33fps、最低フレームレートは11fpsとなり、動作に引っかかりがあった。フルHD解像度でプレイするのであれば、十分に快適なゲームプレイを楽しめる。

XA7C-G60S 「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のテスト結果

 シングルプレイで高負荷なゲームである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行した。こちらもフルHD、4Kそれぞれのテストを行った。

 4K解像度となると「普通」や「やや重い」の判定だったが、フルHDの解像度でなら問題なく動作した。中でも「軽量品質」であればカクつきもなく滑らかに動作したため、高負荷なゲームであっても画質設定を見直せば問題なく動くだろう。

XA7C-G60S 「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」のテスト結果

 最後に、ゲームタイトルでフレームレートを計測してみよう。

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「DEATH STRANDING」と「VALORANT」で実測

 実際のゲームプレイを、フレームレートを記録するツール「Fraps」を利用して実測しよう。今回は低負荷な競技向けタイトルである「VALORANT」と、シングルプレイで高負荷なAAAタイトル「DEATH STRANDING」を試した。

 計測は「プラクティス」の「スパイク設置」をそれぞれ3分×3回実施している。低負荷なタイトルということで、どの画質設定でも高いフレームレートを維持した。もちろん画質設定によってフレームレートは下がるものの、VALORANTのような競技向けタイトルであれば難なくプレイ可能だ。リフレッシュレートの高いゲーミングディスプレイなどを使用すれば、滑らかな映像でゲームを楽しめる。

XA7C-G60S 「VALORANT」各設定のフレームレート比較

 続いては、コジマプロダクション制作の「DEATH STRANDING」だ。計測は「レイク・ノットシティ」周辺を、画面の処理が重い「時雨」が降る地域も含めて、それぞれ3分×3回周回して行った。先述の3DMarkでは標準的な判定が出たが、実測してみるとどの設定でも平均フレームレートが80を超え、非常に滑らかにゲームプレイを楽しめる。リフレッシュレートの高いゲーミングディスプレイがあれば、さらに滑らかなゲームプレイが可能となる。

XA7C-G60S 「DEATH STRANDING」における各設定のフレームレート比較

今、ゲーミングPCを始めるならこのモデル

 総じて、XA7C-G60Sは最新のCPUとPCゲームに向いたGPUを備えた「今からゲーミングPCを始めたい人」にお勧めできる、入門に最適なモデルといえる。

 良好なパフォーマンスはゲームだけでなくクリエイティブ用途、通常のWebブラウジングや動画視聴にも有用で、不便を感じることは少ない。ボディーはすっきりとしたデザインでリビングに置いても溶け込む。購入後にパーツを交換する必要が出てきたとしても、内部スペースにはゆとりがあってドライブや拡張カードの追加も容易だ。

 デスクトップPCを購入するメリットに、「買い換えはパーツだけでOK」という点がある。ノートPCでは、例え気に入ったデザインの製品を購入したとしても、買い換える際はボディーもまるごと交換する必要がある。もちろん、持ち運びできるか否かという差はあるが、デスクトップPCであれば気に入ったデザイン、サイズ、ドライブベイの数で決めてしまえば、同じ見た目のボディーを長く使い続けられるし、家族にばれることなくパーツの増強を行える。

 加えて、パーツの交換もそれほど難しくはない。ケースカバーを開けると複雑なパーツがからみ合っているように見えるが、電源や他のパーツがマザーボードにコネクターやケーブルで繋がっているだけだ。

 XA7C-G60Sは、扱いやすい性能を備えながらも比較的安い価格で販売されているので、ボーナスやクリスマスなどをきっかけとして、年末年始でゲーミングPCに入門してみてはいかがだろうか。

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