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米連邦公開市場委員会(FOMC)は4、5両日に開催した定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置くことを決定。資産購入額も現在の月1200億ドル(約12兆4300億円)で維持した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は新型コロナウイルスの感染ペース加速はリスクだと警告し、経済には財政・金融政策による追加支援が必要だと指摘。資産購入プログラムの将来的な変更に含みを持たせた。
パウエル議長は声明発表後の記者会見で、「少なくとも幾らか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」とした上で、「米国内外で新型コロナウイルス感染症(COVID19)の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」と語った。
議長はまた、「今回の会合でわれわれは資産購入について議論した」とコメント。景気のさらなる下支えのため資産購入プログラムの構成やデュレーション、規模、ライフサイクル をシフトすることができると話した。
今回のFOMCでは月額の資産購入額を変更しなかったが、経済状況が悪化すれば、次回12月15、16両日の会合で同プログラムの変更を打ち出す可能性がある。パウエル議長の発言は将来的な変更の可能性に道を開いた形だ。
アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏はFOMC参加者について、「彼らは資産購入プログラムの将来に関する議論を始めたが、まだ結論には至らなかった」と指摘。「資産購入のペースないし構成、またはこのトピックを巡る新たなフォワードガイダンスの導入の面で、将来の会合に何か新たな展開の可能性を残すものだ」との見方を示した。
FOMCは会合後に発表した声明で、「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」と指摘。7月会合での声明の文言とほぼ同内容となった。
声明ではまた、「進行中の公衆衛生危機は、今後も短期的に経済活動や雇用、インフレへの重しとなり、中期的には経済見通しへの重大なリスクをもたらすであろう」とし、前回9月の声明の文言を踏襲した。
大統領・議会選では一部で票の集計が続いており、上院と下院で別の党が過半数を握るねじれ議会となる可能性がある。大統領選では現時点で民主党のバイデン候補が勝利に近づいており、下院も民主党が過半数を維持。上院については、ジョージア州での決選投票次第となる可能性がある。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が引き続き米経済のリスクとなっているものの、ねじれ議会となれば大規模な経済対策パッケージが来年まとまる可能性は低下する。そうなった場合、借り入れコスト低下と景気回復のさらなる加速のため、債券購入の拡大ないし少なくとも購入する債券の構成を変えるよう、金融当局への圧力が強まる可能性がある。
パウエル議長は選挙に関する質問に直接は答えず、「時として話題には上るが、FOMC会合での中心的な議題には全くならない」と述べた。
会見でパウエル議長は「多くの議員は財政による追加措置が必要だと考えている」と期待をにじませた。
政策決定は全会一致だった。今年議決権を持つミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、子どもが生まれたことから今回の会合を欠席し、代わりにサンフランシスコ連銀のデーリー総裁が投票した。
原題: Powell Says Fed Discussed Bond Purchases, Holds Rates Near Zero
Powell Warns of Risk From Rising Infections as Fed Hold Rates(抜粋)
(資産購入プログラムに関するパウエル議長の発言を追加し、更新します)
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