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Friday, May 15, 2020

旅の目的地は空の彼方へ 宇宙の5つ星ホテル(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース

豪華な宇宙ホテルが実現しようとしている。早くも2022年には、太平洋の小島ひとつくらいの価格で、宇宙の5つ星ホテル(いや、5兆星ホテル?)に滞在できるようになる。地球を周回して1日に16回の日の出と日没を楽しめる“プライベートジェット“から、15週間の事前訓練を必要とする宇宙ステーション風のホテルに至るまでが、未来の宇宙旅行の需要に応えようとしているのだ。

【写真を見る】宇宙の5つ星ホテルが面白い!

That’s No Moon...

アポロ11号の月面着陸から50年の時を経て、宇宙がリッチなセレブたちの遊び場になろうとしている。ヴァージン・グループの創設者、サー・リチャード・ブランソンの言葉を額面通りに受け取ってよいなら、宇宙旅行はすでに実現段階にあり、ヴァージン・ギャラクティック社に17万5000ポンド(約2400万円)を支払えば、有人宇宙船での2週間の無重力体験、そう、「大金持ちの道楽そのものの絶叫マシーン」が味わえる日がもうそこまで来ているというのだ。しかし、ほんの数分間の無重力体験のことをあなたが気にかけているのなら、そんな心配は脇にのけた方がいい。さらに数百万ドルを上乗せすれば、地球軌道上に2週間滞在できる時代が来ようとしているのだから。黎明期にある宇宙ホテル業界はNASAとラディソン ブル・ホテルの合弁事業を思わせる宿泊施設を地球から高度200マイル(約320km)に展開することで、潜在需要に応えようとしている。超富裕層であれ政府の宇宙事業関係者であれ、多額の費用を支払う余裕のある誰彼からでも予約を受けつけているのだ。その選に漏れた大多数の面々としては地上から夜空を見上げて宇宙ホテルを探すくらいしかできそうにはないが、せいぜいその眺めを楽しむとしようか。

Von braun station

フォン・ブラウン・ステーション

フォン・ブラウン・ステーションはゲートウェイ・ファウンデーション社の自信作で、豪華客船のクルーズになぞらえた宿泊体験を提供しようとしている。至れり尽くせりのバーにキッチンも備えてオープンする予定で、民間の旅客はもちろん、低重力環境下での研究活動にいそしむ政府の宇宙事業関係者も受け入れるつもりでいる。

The transit

レール式の輸送システム

太陽光パネルや空気と水の生成モジュールといった生命維持系の設備はもちろんのこと、車輪の外周に沿って移動するレール式の輸送システムもこのステーションには設けられる予定だ。

The capacity

400人もの大人数を収容

睡眠と居住のための区画からなる24基のポッドが車輪の外周に沿って並べられ、およそ400人の旅客とスタッフを収容する予定である。これまでの人類史で宇宙に飛び立った人数が565人でしかないことを考えれば、これはたいそう野心的な計画だ!

The gravity

重力を生み出すしくみ

このステーションはヴェルナー・フォン・ブラウン博士にちなんで名付けられた。そして博士の物理学研究の成果が重力生成のしくみにも生かされている。直径190メートルの車輪型に作られたこのステーションは、軸に相当する部位を中心に回転をすることにより遠心力を生み出し、その強さは月の重力にも相当する。そんなちっぽけな、と思われたかもしれないが、トイレを地球上と同じように使えることも含めて、それはさまざまに意義深いことなのである。

The launch day

開業予定は?

フォン・ブラウンは2025年の営業開始を目指しており、毎週およそ100人のビジターが地球とステーションの間を行き来することになるという。

The next generation

次世代ステーションの計画も

フォン・ブラウン・ステーションの予定開業スケジュールの後に、ゲートウェイ・ファウンデーション社はより大規模な宇宙ステーションの建造を計画している。“ザ・ゲートウェイ“と名付けられたその施設は500メートル近い直径を持つ車輪型の構造内に1400人を収容する予定で、火星や、木星の衛星群への人類の入植に向けた足がかりとしての役割もまた期待されている。

Axiom station

アクシオム・ステーション

アクシオム・スペース社の創業者兼CEOのマイケル・サフレディーニは国際宇宙ステーションの元プログラムマネージャーであり、宇宙産業での知識・経験にはたいそうなものがありそうだ。ISSは2024年の運用終了が見込まれており、アクシオム社がその後釜に収まるという意欲をサフレディーニは公言している。

The observation turret

展望塔からの絶景

このステーションには「宇宙環境用としては過去最大の展望窓」が設けられ、その展望塔はダイニング・ルームも兼ねる予定だ。

The team

チーム力にも期待

アクシオム・スペース社には宇宙産業で豊富な経験を持つ人材が集まり、国際宇宙ステーションの運用開始以来のすべてのミッションに関わってきた。

The Pedigree

名門企業の参画も

各種モジュールの建造にはタレス・アレーニア・スペース社が当たる予定だ。この企業には、国際宇宙ステーションの全モジュールのうち40%を建造した実績がある。

The designer

フィリップ・スタルクが内装をデザイン

アクシオム・スペース社はこの商用ステーションに2022年までに宇宙旅行者を受け入れる計画を立てており、その内装デザインにフィリップ・スタルクを起用するという力の入れようだ。8日間の宇宙の旅の費用は1人当たり5500万ドル(約56億円)となる予定で、打ち上げ費用と機器やサービス提供の費用に加えて、地球上での15週間に及ぶ訓練のコストもそこに含まれている。

The contratcs

宇宙の工業団地も目指して

多くの宇宙ステーションがそうであるように、アクシオム・ステーションも商用利用を強く意識しており、「地球上と軌道上の両方で使われる製品づくりのための宇宙の工業団地(インダストリアル・パーク)の役割を果たす」と謳っている。そう、宇宙ホテルというのは多くの機能の一側面に過ぎないのだ。

Aurora station

オーロラ・ステーション

オーロラ・ステーションは宇宙ホテルというよりは、「打ち上げから軌道周回までを単独でこなすソリューション」とでも呼ぶべきもので、2021年の打ち上げと、翌22年からの旅客受け入れを計画している。アクシオムと同様にこのオーロラも商用ステーションに位置づけられて、高度500kmほどを周回し、一部の区画については政府の宇宙事業関係者へのリースを想定している。旅客はステーションの日々の運用にも従事することになり、昔ながらの宇宙飛行士の気分も味わえる。

The living space

プライベートジェットほどの室内スペース

オーロラのインテリア・スペースはおよそ10メートル×4メートルで、プライベートジェットの機内ほどの広さだ。ここに6名(旅客4名とスタッフ2名)が搭乗可能だ。

The price

暗号通貨でも支払い可能

オリオン・スパン社は現在予約を受けつけている。払戻可能な予約金は8万ドル(約820万円)で、暗号通貨でも支払い可能だ。予約者は打ち上げに向けた待機者リストに名前を列ねることになる。

The training

地上訓練

旅客は12泊の滞在のために一人当たり950万ドル(約10億円)を支払うことになるが、宇宙に出発する前に3週間の地上訓練を受けねばならない。

The view

眺望のすばらしさ

オーロラ・ステーションは90分で地球を一周する。旅客は一日に平均して16回の日の出と日没を眺められるのだという。

The capsules

カプセル式のモジュール

オーロラ・ステーションはモジュールごとに分割されたデザインになっている。ということはつまり、このステーションを運用するスタートアップ企業のオリオン・スパン社は、一度に“一部屋”ずつを効率的に打ち上げられるということを意味する。そのキャリアとしてイーロン・マスクのスペースX社のロケットが有望視されている。

Sky walk

スカイウォーク

スカイウォーク・スペース・ホテルは、サムスン社の「KX50: フューチャー・イン・フォーカス」というプロジェクトのために未来学者のデイル・ラッセル教授がコンセプトを披露したものだ。KX50は、半世紀後の2069年における人々の暮らしはどうなっているのかをサムスン社がビジュアライズした一種の思考実験だ。この宇宙ホテルは、ラッセル教授が理論立てて説明した数々の技術革新のほんの一例に過ぎない。

The space lift

軌道エレベーター

サムスンのレポートには、遠心力を利用した軌道エレベーターのことが記されていた。「超軽量できわめて強靱な素材」を用いることで、ほとんど燃料を消費することなく、旅行者を大気圏外にまで送り届けられるのだという。

The colonies

未来のドーム都市

ラッセル教授は「未来のドーム都市では、気候も、食料も、天然資源も望むがままに作り出されます。それは、火星の都市のモデルにもなるかもしれません。イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、サー・リチャード・ブランソンといった人々の宇宙旅行への熱の入れようから考えれば、宇宙ホテルがその出発点になるのかもしれません」と語った。

The concept

ステーションのコンセプト

ラッセル教授はこのホテルを「月や惑星を周回しながら重力を生成する高級宇宙ホテル」だと説明した。フォン・ブラウン・ステーションと同じようなコンセプトだということだ。

The home visit

地球にいながらの宇宙旅行

地球低軌道のホテル群以外にも、バーチャルリアリティ技術の発展にも期待が持てるのだとラッセル教授は語る。バーチャル技術が長足の進化を遂げてしまえば、宇宙旅行が陳腐化するというのだ。バーチャルが鮮明で現実と見まがう体験となることで、旅行者は自宅にいながらにして宇宙を“訪ねる”こともできるようになるということだ。

Words トーマス・バリー Thomas Barrie / Translation 待兼音二郎 Ottogiro Machikane

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May 09, 2020 at 05:40PM
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