フェイス・ノー・モアやミスター・バングルのリードシンガーとしても知られるマイク・パットンが、隔離中の日々を救ってくれる「エロティックなレコード」と「壮大な映像作品」について語ってくれた。
世界中が新型コロナウイルスのパンデミックと戦っている今、ローリングストーン誌はお気に入りのアーティストと連絡を取り、この前代未聞の時期をどう過ごしているのか聞いてみた。今回はマイク・パットン。オーストラリア人コンポーザーのアンソニー・パテラスとのコラボユニットtētēmaとして、奇異なアヴァンロックの実験作品『Necroscape(原題)』をリリースしたばかりのパットンがメールで外出禁止生活に関する質問に答えてくれた。
―突然自宅にいることになり、どんなふうに過ごしていますか?
曲作り、曲作り、曲作り。何枚かのレコードを同時に作業しているが、これは自分にとっては普通のことだ。でも、他の邪魔が入らないという事実はなぜか楽しい。とは言え、この状況の深刻さにいろんな事柄を……そうだな、普通とは違うように感じるよ。
俺はこんな状況でもなんとかやっていけるほどラッキーだが、それでも1年分のツアーがキャンセルになった。複数のバンドでのツアーが全部ね。これがけっこう重くのしかかっているし、一緒にやっているバンドの連中もそうだし、チケットを買った買わないにかかわらずファンもそうだよ。つまり……基本的にはムカつくってことだ。
でも、個人的にはこの封鎖生活が普段の生活と大きく違うってわけでもない。俺の場合、けっこう自宅でこもることが多いから。ただし、時にはこの状態が深いところで影響することもある。家族や友人とレストランで食事したいときとか。それはやっちゃダメだ。じゃあ、どうする? 受け入れるか、死ぬかだよな。
―この隔離生活中に気分を落ち着かせるために聴いている音楽は何ですか?
慰めになりつつ幻覚を起こすようなものを聴いている。つまり、あらゆる種類の「エロティックな」ものってこと。50年代、60年代の特定のコンポーザーの彩りを持った架空の音楽やファンタジーの世界。どういうわけか、そういう音楽を聴くと幸せな気分になる。ディズニーランドの「魅惑のチキルーム」と「ホーンテッドマンション」の中間って感じの気分だよ。厳密に言えば、聴いている音楽がそういう世界観というわけではないが、曲の作り方も演奏も銀河系レベルのものばかりだ。
パットンが聴いている音楽とは?
・レス・バクスター「Space Escape(原題)」「The Passions(原題)」「Ritual of the Savage(原題)」
この3枚は完璧だ。別の世界の旅であり逃避。ヘッドフォンでこれを聴くと、見目麗しい戦いに聴こえるし、一度も言ったことのない場所に連れて行ってくれる。
・フェランテ&タイシャー「Denizens of the Deep(原題)」
プリペアド・ピアノ(訳註:弦に異物を取り付けることで音質を変化させたピアノ)とエレクトロニクスが交差する水中のファンタジー。逃避したいなら、水に潜ればいいだろ?
・アンドレ・ポップ「Delirium in Hi-Fi(原題)」
ステレオフォニック的トリックと狂気のインストゥルメンタルに特化した圧倒的なクラシック作品。
・ディック・ハイマン「Electric Eclectics(原題)」と「Moon Gas(原題)」
両レコードともエレクトロニックMoogの浣腸って感じで、陽気でワクワクするし、腸がありがとうって言うぞ。
・イマ・スマック「Voice of the Xtabay(原題)」
素敵なアレンジが施された心地よい歌声の泥浴。イマの声は導きの光だ。
・Esquivel and His Orchestra「Latin-Esque(原題)
初期の頃のステレオフォニックなポップと絶滅の本当の勝者。ヘッドフォンをつけて、身体を椅子に縛り付けてから聴け。
・ベルナール・パルメジャーニ「Popeclectic(原題)」
上機嫌なクラシック的視点で見たエレクトロ・ポップを巡るアバンギャルドな旅。
・Jean-Claude Vannier「Electro Rapide(原題)」
彼のディープなトラックが集められた作品で、全曲とも斬新で、グルーヴィーで、完全に革新的。
・レイモンド・スコット「Manhattan Research Inc.(原題)」または「Soothing Sounds for Baby(原題)」
伝説的なコンポーザーのエレクトロニックの実験曲の数々。彼はワーナー・ブラザーズとハンナ・バーベラのカートゥーンで有名だ。
・ボイジャーのゴールデン・レコード
これは俺たちの地球に向けて最近リイシューされたボックスセットのコレクション。リスナーがボイジャー1と2のミッションに同行して宇宙に行き、木星と土星を目指すという仕掛けだ。このレコードは人間がどんな音なのかと説明するドキュメント的に作られていて、宇宙人への伝言って感じ。星と星の握手みたいなもの。それだけでも俺にとっては気分が落ち着くね。
―今ファンに伝えたいことはありますか?
くじけずに頑張れ。壮大な映像作品を観ろ。こんな状況だから3時間以下の作品は役に立たない。古代や異世界の冒険映画とか、ギャングの闘争映画とか、抜け出すのが困難な現状を忘れさせてくれるものなら何でもいいぞ。
例えば:
『バラバ』
『ベン・ハー』
『アラビアのロレンス』
『ゴッド・ファーザー』か『グッドフェローズ』
セルジオ・レオーネの『ドル箱三部作』
『掠奪された七人の花嫁』
リスクを犯してもいいぜって気分のときにオススメのパラノイア系作品なら:
『THX 1138(原題)』
『宇宙からの脱出』
『砂の女』
『Pandemic パンデミック』
『コンテイジョン』
『パニック・ルーム』
『シャイニング』
『セコンド/アーサー・ハミルトンからトム・ウィルソンへの転身』
みんな、用心しろよ。アクティブにいられる唯一の方法は何かを作り上げることだって忘れるな! みんなに創造力が備わっているんだから、あとはやるか、やらないかだ。MPから愛と強さをこめて!
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April 24, 2020 at 02:15AM
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