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Wednesday, March 25, 2020

河内REDS「時計じかけのオレたち」インタビュー|大阪発4人組ロックバンドの愛を注ぎまくった1stアルバム - 音楽ナタリー

河内REDSが3月25日に初のフルアルバム「時計じかけのオレたち」をリリースした。

河内REDSは昨年8月にシングル「東京ガール」でメジャーデビューを果たした大阪発の4人組ロックバンド。寺岡呼人がプロデュースを手がけた1stフルアルバムには、河内REDS流のロックが体感できる表題曲「時計じかけのオレたち」をはじめ、読売テレビ系「ダウンタウンDX」エンディングテーマに採用された甘酸っぱいラブソング「東京ガール」、ストリングスが壮大な「オリオン座」など、バラエティ豊かなナンバー10曲が収録されている。

音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施。初登場となる彼らにバンドの結成からインディーズ時代、そして現在に至るまでの道のりをたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 田山雄士 撮影 / 後藤壮太郎

学校の帰り道で聴いたタダミの歌声

──バンドの結成は2011年なので、キャリアはけっこう長いんですよね。

タダミ(Vo, G) もう10年近いですね、早いなあ。

ナカザワリョウジ(B) 今年の3月で初ライブから丸9年か。

──どのような流れでバンド結成に至ったんですか?

タダミ(Vo, G)

タダミ 僕とサクラくんが大阪府立金剛高校に通っていて、軽音部で3年間お互い別のバンドでギタリストとして火花を散らし合ってたんですよ。それで卒業の時期にサクラくんから「バンドやろうぜ」って誘われて。

サクラマサチカ(G) 誘ったのが卒業のタイミングになったのは、校外でバンドをやってはいけない縛りがクラブにあったせいかな。僕が部長、タダミくんが副部長で忙しかったこともあるし。高校時代の自分はクラブ一筋で友達が3人くらいしかいなくて、そのうちの1人がタダミくんやったんです。僕は休み時間にじーっと本を読んでるような孤独な感じやったんですけど、タダミくんはたまに僕のところに来て「アイス買いに行こう」と言ってくれたりして。

タダミ サクラくんが一緒に来てくれるとうれしかったなあ(笑)。

セタ(Dr) めっちゃ微笑ましい話やな。

タダミ 2人ともギタリストやから「ギターが2人おるバンドを組むのかな」と思ってたら、なんと僕に歌ってくれという話をしてきて。ボーカル歴なんてゼロやったのに。

──サクラさんはなぜタダミさんをボーカルとして誘ったんですか?

サクラ ステージで歌うのは聴いたことなかったし、カラオケも行ったことなかったけど、学校の帰り道でよく歌っててうまいなあと思ってたんです。「タダミとやったら何か面白いことができそうやな」くらいでしたね、最初に考えてたのは。「バンドで天下取るんじゃ!」とかもなかった。とにかく人と違うことがしたい気持ちだけ。タダミには独特の感性があったので、前に立たせたらええやろうなって。

タダミ あー、そういうところを買ってくれてたんや。

──セタさんとナカザワさんが加入した経緯は?

タダミ セタくんはほぼ面識がなくて、高校のときに1回フワッと会ったことがある程度やったな。

セタ 高校も違うんで、軽音楽部連盟みたいな集まりで見かけたくらいか。実は河内REDSが初めてライブしたとき、僕は別のバンドで対バンしてたんです。その1年後に当時の河内REDSのドラマーが抜けたって友達に聞いて、ちょうど自分がやってたバンドも解散になったから。

サクラ mixiでメンバー募集したら、2012年の頭くらいにセタが連絡をくれたんよな。ナカザワはそのもう少しあとか。

タダミ ナカザワくんは人の紹介で。

ナカザワ 共通の知人が引き合わせてくれました。

タダミ ライブをよく観に来てくださるケイさんって人がいて。その方が「いいベーシストがいるよ」とナカザワくんを薦めてくれたんです。

サクラ 音楽業界の人ではなく、普通のお客さんでね。ケイさんがあまりにも言うからライブを観に行ってみたら、めちゃくちゃいいベーシストで。あれはいつくらいやっけ?

ナカザワ 2014年やね。

タダミ 「一緒にやろうぜ」って本気で誘う瞬間はすごく緊張するもんで。モジモジしてたのは覚えてるな。

ナカザワ 道頓堀の刀削麺屋にみんなで行ったときに誘ってもらったね。

タダミ いろんなメンバーチェンジがあったけど、この4人に落ち着いて今に至る感じです。

ハトしか観てなかったゲリラライブ

──結成当時の河内REDSはどんなバンドでしたか?

ナカザワ もうね、ヤンチャ野郎ですよ! パンクやったな。30分の持ち時間で12曲演奏するとか。いっぱいやったら勝ち、みたいな考えで(笑)。

サクラ なんばや梅田の駅前の路上でよくゲリラライブやってました。

セタ みんなノリノリやったな。

タダミ 俺の通ってた大学の噴水の前でライブしたりね。学祭でもないタイミングにゲリラで。「ちょっとでも知名度を上げるんだ」とか思ってました。

サクラマサチカ(G)

サクラ 俺らのことハトしか観てなかったで。そのあと、大学の人に呼び出されたりしてな。学祭も乗り込んだときあったけど、めちゃめちゃ怒られた。

タダミ 「アポなしのほうが今の時代に合ってる!」とか勝手な思い込みがあって。ホンマにただのおバカでしたね。何も考えてなかったです。

サクラ 今思えば、何ひとつ合ってない(笑)。バカみたいに強気なだけでした。

タダミ よく言えば、リアルをそのまま見せたかったんかな。正直に生きたい気持ちは昔からあったんで。無茶苦茶ですけど、ストレートにやってましたね。

転機となったオーディション

──語弊があったら申し訳ないんですけど、河内REDSって本気で音楽と向き合うことをどこかで恥ずかしがってたというか、なかなか素直になれずにいた印象もあるんですが、そのあたりはどうですか?

タダミ まさにその通りで。あの頃は本気になれてなかったんですよね。「まあ、どうにかなるかな」「続けてたら、いつか何か起こるやろ」みたいな浅はかな思いでいました。

サクラ でもだんだん歳を重ねてくると、「そろそろヤバいんじゃないか?」と思い始めて。

タダミ 気付けば何も結果を残せてないなって。6、7年やっとんのに。

サクラ 「このままじゃいかん!」となって、本気でオーディションとかいろいろ出てみようということになったんですよ。

セタ あの頃が一番苦しかった。でも、ようやくみんなでがんばり始めたんです。「eo Music Try」(関西最大級の音楽コンテスト)を目標にして。

サクラ 2017年の「イオ」で決勝に行けへんかったらバンドを解散しようと決めて。

タダミ その前にも「COMIN'KOBE16」のオーディションに応募してな。

ナカザワ そこでグランプリをいただけて、「あれ? なんか俺らオーディション強いんじゃない?」って。

サクラ 意外といけるんやと思ったな。「イオ」も決勝のライブ審査前にお客さんのインターネット投票があったんですけど、「家族や友達にお願いしました」「クラスメート30人に頼んで入れてもらいました」とか、めちゃめちゃがんばって協力してくれる人がたくさんいて、そのおかげで決勝に進出させてもらって……。

タダミ ホンマにありがたかったな。

セタ うん。

サクラ 最終的に賞は何も取れなかったんですけど、こんなに応援してくれる人がいるんやったら辞める理由はないやんかと思えたんですよね。それで次に「関西発!才能発掘TV マンモスター+」(MBSのオーディションバラエティ番組)のオーディションを受けようと決めて。そこでグランプリをいただけて、その結果として今ここにいるので、「イオ」でみんなが支えてくれたのは僕らにとってものすごく大きいことでした。

タダミ そういう経験もあって、やっぱり自分たちが楽しいだけじゃダメだなってわかったんですよね。

──インディーズの頃からすごく楽しそうにやってはいたけれど。

タダミ そう。楽しかったけど、端から見たらどうだったんだろうと思って。ダメなところもいっぱいあった気がするんです。だからこそ結果が出なかった。それやったら「自分たちの好きなものをほかの人にも好いてもらうように作らんといけないな」と、意識が変わっていったんですよね。

ナカザワ もちろん、すべてを変えるんじゃなくて、僕らは自分たちのアクの強い部分も好きやったんで、その味は残しつつ。今回のアルバムにもいいクセというか、どこか斜めの視点もちゃんと入ってるので、いい変化を遂げられたと思ってますね。

セタ 親身になってくれる方々の期待に応えるためにも、さらに大勢の人たちに知ってもらうためにもね。音楽をずっと続けていくうえで、お客さんがいなきゃやってる意味がないじゃないですか。思えば、以前はけっこう狭い範囲のことを歌った曲が多かった気がするんです。その幅をグッと広げられたのが今なのかなと感じてて。

──「シルバーハート」とか、めっちゃピンポイントでしたもんね。

ナカザワ 確かにそうですね(笑)。

タダミ コアな層に刺さるほうに寄りすぎてた!

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March 25, 2020 at 02:00AM
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