『モンスターハンター ライダーズ』開発者にインタビュー
カプコンの新作アプリ『モンスターハンター ライダーズ』。人気作『モンスターハンター』シリーズのアプリ新作ということもあって、大きな注目を集めている。本作が一体どんなゲームになのか? どこがウリなのか? 気になる点を本作の開発者に直撃した。
○左
『モンスターハンター ライダーズ 』プロデューサー
和泉真吾(文中:和泉)
○右
『モンスターハンター ライダーズ 』ディレクター
川西晃大(文中:川西)
完全新規の物語が展開!
――『モンスターハンター ライダーズ 』がどういったゲームなのか、改めてご説明いただけますか?
和泉 『モンスターハンター』 シリーズでおなじみのモンスターがオトモンという形で、本作オリジナルのキャラクターがライダーという形で多数登場します。このオトモンとライダーを軸にストーリーが展開していく作品です。
――ちなみに、本作は『モンスターハンター ストーリーズ』と何かしらの関係はあるのでしょうか?
和泉 オトモンとライダーというネーミングは同じものですが、物語上でのつながりや世界設定などはまったく違う、完全に別の作品になっております。
――登場キャラクターや世界設定については、完全オリジナルなんですね。
和泉 そんな中で、プレイヤー自身はライダーではなく、ライダーを取りまとめる人物として存在しています。
――リーダー的な存在だと。
和泉 そうです。本作の舞台となる大陸で何かしらの大きな異変が起きるんです。それを調査するために設立された特派観測隊という部隊があり、その部隊のリーダーとしてプレイヤーが招集されます。本作の特徴のひとつが、シナリオにおいてキャラクターに重きを置いていることです。
――『モンスターハンター』シリーズでは、モンスターがフィーチャーされることが多いですよね。
和泉 『モンスターハンター ライダーズ 』では、モンスターと人間が繰り広げるドラマだけでなく、人間同士の関係性も物語のテーマのひとつになっています。
川西 そこが、ほかのシリーズとは大きく違うところのひとつですね。
和泉 本作の舞台となるフェルジア大陸では、もともとモンスターは人の脅威でした。ただ、この世界に大厄災という大きな事件が起き、人類もモンスターも滅亡しかけたんです。それを救ったのが”竜騎十傑”と呼ばれる、のちにライダーを広めたライダーの始祖の人たちです。彼らが中心となって大陸を平和にしていき、のちのライダーとオトモンという考え方、概念を生み出していきました。それから数百年たったのが本作の舞台になります。
――もともとは”モンスターを狩るハンター”が存在してたんですね。
川西 はい。もちろん本作のクエストでも”特定のモンスターを狩猟してほしい”という依頼は出てくるのですが、それはライダーとオトモンでいっしょに討伐しに行くという形で、ハンターがモンスターを狩るのとは違うものですね。
――一緒に生活して共に戦う存在になっていると。
川西 そうですね。かつて大厄災が起きた時、人間は”モンスターを駆逐しよう”という考えもありましたが、現在はモンスター(オトモン)と人(ライダー)が共存する関係として世界を再構築しています。
壮大な人間ドラマ
――ゲーム中ではどれくらいのキャラクターが出てくるのですか?
和泉 アプリリリース時点では約40人ぐらいです。仲間にして自分の編成の中に組み込めるライダーが40人ほどいて、そのあと毎月数人追加していく予定です。
――それに応じてストーリーも順次開放されていくと?
和泉 メインストーリーに関しては毎月ではないにしても、それに近いくらいのペースで入れたいと思っています。
川西 メインストーリーとは別に、ライダーごとのストーリーも用意しています。
――メイン級のライダーということでしょうか?
川西 そうですね。主要なライダーには個別のストーリーがあり、新たにライダーが追加されるといったタイミングでストーリーも追加していきます。基本的に毎月何かしらのストーリーが追加されるというイメージですね。
――そのライダーを手に入れたら、個別のストーリークエストが遊べるようになるのですか?
和泉 ライダーを持っていなくても個別のストーリーはプレイできます。これをクリアーすることで仲間になるライダーがいたり、ライダーの強化アイテムを入手できたりします。
――レアリティはどのくらいの段階があるのでしょう?
川西 ★3、★4、★5の3種類です。★3の多くはストーリークエストで、★4と★5のライダーはガチャで入手できる仕組みです。★3はどなたでも入手できるので、本作のウリの1つでもあるオリジナルデザインのライダーたちを皆さんに楽しんでいただければと思います。
――★3のライダーもレアリティアップが可能なのでしょうか?
川西 各レアリティで別のライダーとして存在します。例えば★3のマリィ、★4のマリィ、★5のマリィは別々で所持できます。
――なるほど。同じライダーでもレアリティが高いほどステータスが高くなったりすると。
川西 そうです。ただ、★5のライダーを最大まで強化するために必要な限界突破素材が貴重で、例えばマリィであれば★3や★4のマリィを一定値まで強化すると、星5のマリィや他のライダーを限界突破素材を入手できたりするんです。どのレアリティのライダーも、強化することに意味がある設計になっています。
魅力的なライダーたち
――ライダーそれぞれのキャラクターデザインのこだわり、見どころを教えてください。
和泉 『モンスターハンター』というと、やはりモンスターの魅力が強い作品だと思います。そのモンスター(オトモン)と、並び立つキャラクター(ライダー)というのを考えると、かなり個性的な方向、思い切った方向に振り切った強烈なデザインが必要だと思いました。主人公のマリィにしても、リオレウス装備を着ていますが、本作ならではの大幅なアレンジを加えているんです。
――シリーズでおなじみのリオレウス装備とは全然違いますよね。
和泉 実はマフラーのこの模様も実はリオレウスの翼膜を模してるんですよね。
川西 一方のハルシオンはオーソドックスなラギアクルス装備がベースなのですが、名家の次期当主という設定なので、細かい装飾やマントなどを追加しています。
和泉 『モンスターハンター』シリーズでおなじみの装備の面影を残しながら、オリジナルデザインの装備が多数登場するんです。
――大枠としては各ライダーが特定のモンスターをモチーフにした装備をしているんですよね?
川西 そうですね。マリィならオトモンでもあるリオレウスの装備、ハルシオンならラギアクルスの装備といったように、自分ベースとなるオトモンの装備を着てます。
――シリーズと同様の装備を着ているライダーもいたようですが……。
和泉 オーソドックスなフルフェイスだったりとか、きっちり踏襲しているキャラクターたちもいっぱいいます。
――ライダーをじっくり見られるモードなどはありますか?
和泉 お気に入りのライダーとオトモンをホーム画面に設定できます。あと図鑑で回転して好きなアングルから眺めることができたり、ボイスを再生して楽しめます。
川西 ホーム画面ではお気に入りのライダーを設定できて、タップするとしゃべってくれます。ライダーごとに信頼度というパラメータがあって、ライダーにプレゼントを渡すと信頼度が上がり、セリフがどんどん親密になって会話内容も変化します。
おなじみのモンスターがオトモンになって登場!
――オトモンとなるモンスターはどのくらいいるのでしょう?
和泉 具体的なオトモンの種類数は明かせないのですが、こちらもライダーと同じように毎月数種類のモンスターを追加していく予定ですオトモンはリリース時点で約20体ぐらいです。毎月数種類のモンスターを追加していく予定です。
――オトモンも、たとえばリオレウスならリオレウスの★3~5みたいなのがそれぞれ別で存在しているのですか?
和泉 ライダーと同じような区分けですね。スキル構成と技構成とパラメータの最大値が違ってくるので、レアリティの高いモンスターの方が最終的には強くなります。
――ライダーはガチャとのことですが、オトモンはどうやって入手するのですか?
和泉 基本的にクエストでの入手になります。オトモン獲得クエストや様々なイベントクエストをプレイすることで、オトモンが手に入ります。また、ガチャのおまけとして、一定の確率で入手できる形もご用意しています。
――設定的に古龍は通常のモンスターよりやや上の存在のイメージがあるのですが、古龍もオトモンとして登場するのですか?
和泉 登場します。リリース時点ではいませんが、アップデートで登場します。ただ、格の違うモンスターですので、通常のモンスターとは違う扱いになっています。
川西 たとえばテオ・テスカトルをオトモンにしているライダーもいるのですが、その人物もゲーム内の設定としても性能としても特別な存在だったりします。
――なるほど。シリーズで強かったモンスターは強い(オトモン)という傾向はあるのでしょうか?
和泉 モンスターの格によって、ある程度強さを設定しています。ただ、本作ではいろんなモンスター(オトモン)にスポットをあてていて、例えばドスジャギィにはドスジャギィならではの活かし方、活躍の仕方ができるようにしています。
――先ほど二つ名のモンスターもいるとかいないとか……?
和泉 少し先にはなるのですが二つ名モンスターも登場する予定になっています。
ライダーとオトモンで無限の組み合わせが楽しめる!
――ライダーとオトモンいうのはどの組み合わせでも可能なんですよね?
和泉 はい、可能です。
――その一方でライダーごとに得意オトモン的なものがあるのでしょうか?
川西 そうです。たとえばマリィとリオレウスでないと発動しない特性効果みたいなものがあります。基本的には着ている装備と同じオトモンに乗せると、特性効果が必ず発動するという設計です。
――いわゆる弱点というか属性というか、そういった要素はライダーとオトモンのどちらについているのですか?
川西 ライダーやオトモンが持つ技にそれぞれ攻撃属性が設定されており、相手の攻撃に対する属性耐性はオトモンが持っています。
――ちなみに属性はいくつあるのでしょう?
川西 火、雷、水、氷、龍、無属性の6つです。すくみにはなってなくて、モンスターごとに弱点や耐性を設定しています。
和泉 一部、モンスターハンターライダーズ独自の設定はありますが、基本的にシリーズの属性を踏襲しているので、シリーズを遊んでいるかたはイメージ通りの相性になっていると考えていただければと。
――バトル時の技はどういう内訳になっているのですか?
川西 ライダー、オトモンそれぞれが技を持っていて、最大で4つまでセット可能です。
――たとえば同じ火属性でもリオレウスとリオレイアで、技の方向性が違ったりするのでしょうか?
川西 ライダーもオトモンもロール(役割、職業のようなもの)があって役割がそれぞれ違っています。同じ属性でも特性や耐性属性は異なっているんです。
――たとえばいわゆるタンク(盾役)、アタッカー(攻撃役)、サポーターのような感じになると。
川西 どういったパーティ編成にするかで戦い方が大きく変わってきます。編成の幅はものすごく広いので、自由な組み合わせを楽しんでいただきたいです!
――各ライダーにオトモンをセットする形になっていますが、一旦セットしたオトモンを別のライダーに渡したりもできるんですよね?
和泉 もちろん可能です。ただ、オトモンを動かすのに譲渡チケットが必要になります。
ゲーム中でコンスタントに手に入るので、必要なときに使っていただければと思います。
――神経質になる必要はないが、あまりに適当にオトモンをあてがうのもあまりよくないと(笑)。
和泉 ゲームの設計上、すごくレアなオトモンも出したいので、「1体しか入手できなかった時にどうする?」となったときの救済処置的な意味合いもあります。
川西 あとは、加護という概念がありまして。これは各ライダーが都市に紐づいていて、マリィだとラクアという都市に紐づいていて、同じラクアに紐づいているライダーたちを強化していくと、加護レベルが上がっていきます。
――同じ場所に所属しているライダーを育てるとより強力に加護が得られるという感じでしょうか。
川西 そうです。また、平均的にステータス上がる都市もあれば、攻撃力特化の都市もあったりします。
和泉 最初に★4のライダーを育てていて、後からガチャで★5のライダーが手に入ったりした場合、★5に乗り換えると★4を育てたことが無駄になりがちです。このシステムや、前述した強化素材が手に入ることで、どのライダーを育てても無駄にならずに必ず活きてくるようにしたかったんです。
川西 育成したすべてを無駄にはせず、すべてユーザーの資産になるといった形になっています。
便利なオート周回も!
――そのほか、本作の注目点はありますか?
和泉 音を聴いてプレイしていただきたいです。
――そういえば、回復しているときの音が回復薬を飲んでいるときの音だったりしますよね
和泉 基本的にはオリジナルの音を使っています。シリーズをプレイしたことのある皆さんが聴いたことのある、おなじみのBGMをアレンジしていたり、SEがいっぱい入っています。
――攻撃モーションなども、おなじみの動きですよね。
和泉 おなじみの攻撃をくり出すときは、おなじみのモーションを再現しています。サウンドとともにモーションも楽しんでいただきたいところですね。
川西 一点追加で、本作はオート周回が可能です。1クエストをオートで回るだけではなく、設定したクエストを何度も周回する機能です。
和泉 しばらく外すときにオート周回しておけば、スタミナが尽きるまで自動で回るということが可能です。
――1クエストだけオートできても、何度も出撃ボタンをタップしないといけないので、それは助かります。それでは最後に、楽しみにしているユーザーへコメントをお願いします。
和泉 いままで『モンスターハンター』シリーズ作を遊んでいただいた方には、随所でニヤリとできる要素をちりばめていますので、そういった部分に注目しつつ遊んでいただきたいです。アクションゲームは苦手という方も、本作はコマンド選択式のバトルのシステムかつ、短時間でもサクサク遊んでいただけるようになっているので、手軽に遊んでみてください。
川西 本作ではモンスターの魅力はもちろんですが、今回は壮大な人間ドラマに重きを置いて作っています。魅力的なキャラクターたちが多数登場するので、ぜひ楽しみしていてください。短いスパンで定期的にストーリーを配信していく予定になっていますので、是非、末長く楽しんでいただけると嬉しいなと思います。
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モンスターハンター ライダーズ
ジャンル | RPG |
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メーカー | カプコン |
公式サイト | https://mobile.capcom.com/mh-r/ |
配信日 | 2020年冬 |
コピーライト | ©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. |
"壮大な" - Google ニュース
February 11, 2020 at 09:38PM
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