メッシ対エムバペ-。分かりやすい決勝戦だ。ゴールした方が得点王の可能性が高い。アルゼンチンが36年ぶりに優勝すればメッシは「神の子」マラドーナの域に達し、フランス連覇ならエムバペは22歳で連覇した「王様」ペレと比較される。あらゆる意味で世界の視線が集まる。
前日のメッシに続き、モロッコとの準決勝でもエムバペは異次元だった。ボールを持てば時に5、6人から標的にされる。先制点も2点目も相手を引きつけての「アシスト」。攻守に引っ張るMFグリーズマンの活躍は大きいが、やはりゴール前ではエムバペだ。
今大会の優勝賞金は史上最高の4200万ドル(約58億8000万円)。準優勝は3000万ドル(約42億円)だから大差がある。と、普通の感覚なら思うはず。もっとも、巨額を稼ぎ出すこの2人にとって、賞金など(一部が選手に還元されても)眼中にないだろう。
米経済誌フォーブスの22-23年サッカー選手長者番付によれば、エムバペは1億2800万ドル(約179億円)で1位。2位がメッシで1億2000万ドル(約168億円)だった。3位ロナウドのポルトガルや4位ネイマールのブラジルは8強止まりで、1位と2位が優勝と得点王、自身の価値を高めるために戦う。
収入は、大きく分ければクラブからの年俸とスポンサーからのもの。エムバペは今年5月、所属するパリ・サンジェルマン(パリSG)と新たな3年契約にサインした。英スカイ電子版によれば、契約金が約163億円、月給は実に約6億5000万円だという。
かつてサッカー選手は、米大リーグやNBA、NFLなどの選手に比べて収入が低かった。あのマラドーナでもナポリ所属の最盛期で年俸6億円といわれた。しかし、2000年以降に米国や中国、さらに中東石油国の資本がクラブに流れて急騰。今や、サッカーは「稼げる」スポーツだ。
年俸を一気に引き上げたのがエムバペとメッシ、さらに4位ネイマールを擁するパリSGだ。11年にクラブを買収したのが、カタール投資庁の子会社でもあるカタール・スポーツ・インベストメント。その前年に決まった22年W杯開催とともに、カタール政府の「サッカーでの成長戦略」が決勝戦で大団円を迎える。
カタール代表はW杯史上最速の1次リーグ2戦目で敗退が決まったが、王族たちは喜んでいるはず。(パリSG勢不在の)ドイツやクロアチアが敗退し、最も多額の資金を投じるエムバベとメッシが大会の最後を飾るのだから。もしや、10年以上も巨額の富を投じてきた壮大なシナリオ? ということはないだろうが、世界最高峰で最高額の報酬を得る「10番」(パリSGの10番はネイマール)の激突で大会は幕を閉じる。【荻島弘一】(ニッカンスポーツ・コム/記者コラム「OGGIの毎日がW杯」)
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