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Monday, October 4, 2021

『JETT: 彼方の岸』壮大なスケール感の惑星環境を調査隊として冒険する、SF探索アドベンチャー - ファミ通.com

 宇宙の彼方の惑星を冒険する探索アドベンチャーゲーム『JETT: 彼方の岸』が、10月5日よりプレイステーション5/プレイステーション4/PCで配信開始。いずれも日本語に対応する。(※PC版はEpic Gamesストアで5日午後10時配信予定)

 本作は、名作ドット絵アクションアドベンチャー『スキタイのムスメ:音響的冒剣劇』を手掛けたインディーゲームスタジオSuperbrothersによる久々の新作。Pine Scentedとの共同開発による今作では、未知の惑星の壮大な光景を探査機JETTで冒険していくオープンワールドの3Dゲームとなっている。今回、製品版をひと足先に体験したのでその内容をご紹介しよう。

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宇宙科学と宗教が融合した壮大な宇宙植民計画を描くSF作品

 本作の主人公“メイ”は、大規模宇宙植民のための先遣隊“スカウト”の一員。冷凍睡眠下での1000年の宇宙航海を経て人類が到達した惑星“彼方の岸”に最初に降り立ち、本隊が展開するための初期調査を行って、惑星軌道上に待機するマザーシップに報告するのがその目的だ。

 というわけで本作、クリストファー・ノーラン監督によるSF映画『インターステラー』的な、母星での“終わり”を迎えた人類が宇宙の彼方での新たな時代を切り開こうとする壮大なSF作品となっている。

 ユニークなのは、この宇宙植民計画が実は宇宙科学が融合した宗教(のようなもの)によって進められたものであるということ。かつて宇宙の彼方の惑星から発せられた電波(作中では“聖波”と呼ばれる)を観測した男がその神秘体験を書き残し、その内容に従って宇宙科学が発達して、300年をかけてついに数千人の移住計画が実行に移された……という設定になっている。

 なので、科学と結びついた独特な宗教観が反映されたセリフが特徴的。惑星で起こった出来事が予言に沿って解釈されたり、さまざまな事象に(科学用語ではなく)宗教用語っぽい呼称がついていたりする。

 最初は唐突なその語り口に面食らうかもしれないが、「現実世界のように宗教が科学と衝突するのではなく、自然崇拝の宗教が科学を発達させたSF世界の話なんだ」と理解すると多少わかりやすくなると思う。

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聖波=“彼方の岸”から放たれる電波。ツァーガ=聖波を最初に観測した始祖“ツォシ”が書き残した文書のこと。以降、彼が幻視した大移住計画に従って宇宙科学が発達し、数百年をかけてついに実行に移されたという設定。
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重要なキーワードはゲーム内データベースで確認可能。

飛行型探査機“JETT”での探索&ストーリーがメイン

 さて本作、同じ惑星探索ゲームでも『No Man's Sky』のような自由な探索を目的としたゲームとは少々異なり、あくまで進行は全4章(+プロローグ)のストーリーベース。

 ゲーム世界の作り自体はオープンワールドなのだが、基本的には“この島に通信機器を設置したい”といったストーリー上の目的に沿って惑星の様々なエリアを訪れて、その周囲の調査を行いながら目標をクリアーし、話を進めていくという感じ。

 拠点での一人称視点の会話シーンなどを除くと、ゲームの大半はJETTの機体を操縦して進めていくことになる。素材集めや建築要素などはなく、とにかくJETTでの探索が要だ。

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聖波を発する山“トア”に向かうことに。空には巨大な紅い主星“ゴーク”が浮かぶ。

壮大な光景をJETTで滑るように飛ぶスケール感&爽快感

 陸上や水面スレスレを滑空するように飛ぶJETTの操作は少々クセがあるが、慣れてしまえばなかなか快適だし、機体を跳ねさせる“ポップ”などのアクションを習得すればそこそこの高度にも上がれるようになって気持ちがいい。

 なお、ほっといても墜落はしないのでフライトアクションものよりは楽だが、飛行機系の操作感覚は多少要求されるので、それが苦手な人は注意されたし。

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ほっといても墜落せずに地表付近を滑るように飛んでくれる機体なので、フライトアクションものよりは楽なハズ。ただどうしても飛行機系の操作感覚は要求される。

 ちなみにJETTでの飛行中はカメラが超引きまくり。水の惑星の壮大な光景の中を米粒大のJETTがスクラムジェットの航跡を残しながら飛んでいく、未知の惑星の地形や巨大生物のスケール感が強調された作りになっている(恐らく全体のマップサイズ自体はそこまで大きくないと思うが、こうした演出が実にうまい)。

 これはスクリーンショットだとちょっと魅力が伝わりづらいのだが、ぜひできるだけデカ目のディスプレイでプレイして欲しいところ。トレイラーをチェックする時もできるだけ大きいディスプレイで見て欲しい。

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航跡の先っちょにいるのが自機。クソ小さいのだが、慣れてくるとコレが「周囲がデカすぎ」に見えてくる。ちなみに寄ったカメラにしたい時は調節可能。

未知の生態系を調査し、その特性を利用して困難を切り抜けろ

 JETTには周囲の生態系を調査するセンサーが付いており、ゲームの進行上で必須ではないのだがコレを使った生態系調査がかなり重要だ(ちなみにトロフィー対象にはなっている)。

 というのも、敵対的生物の襲撃をはじめスカウト隊にはその冒険の過程でさまざまな難題がふりかかるのだが、先遣隊にすぎない彼らは物資に乏しく、たとえばJETTには武装などもついていない。

 なので、音を嫌がる生物には衝撃に反応して爆発音を放つ環境に引きずり込んだり、爆発物が必要ならある条件下で爆発する物質を利用したり、問題を解決するにあたって周囲の生態系の特性を利用するしかないのだ。

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拠点となるグランドコントロールの降下中、この惑星の巨大生物“コロス”の一種が出現。これは偶然なのか、またはこの星に人類を呼んだ存在が与えた試練なのか……。
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敵対的生物に襲われることもあるが、基本的に戦闘するゲームではない。大抵は振り切れるか追い払う方法が用意されている。

 要はコレが本作の謎解き要素で、ミッションクリアーに必要なことに関しては大抵はだいたい何をすればいいか相棒や他機の同僚たちが通信で教えてくれるのだが、「“サーマ”を使ってみてはどうだろう」とか「コレは電気に反応するのでは」といったようなことを言われた時に「あぁ、さっきあの辺を飛んでる時に調査したアレかな?」とか「電気といったらアレがいたな」と見当がついた方が話が早い。なら普段からセンサーで調査をやっといた方がいいというワケだ。

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一見、スカウト隊の目的達成には何の役にも立たなそうな特性が窮余の一策となることも。
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ちなみに調査済みのものもデータベースで確認可能。「アレなんかその生物の名前聞いた気がするけど覚えてねぇや」って時はチェックしよう。

大いなる未知に対峙する畏怖と高揚感

 ところで“選ばれし者”と言えば聞こえはいいが、未知の世界に放り込まれるスカウト隊はぶっちゃけ使い捨ての決死隊スレスレの存在だ。しかも“聖波”にはどうも本当に精神感応作用があるらしく、その影響をダイレクトに受けたストーリー中盤以降ではたびたび意味深なメッセージを幻視することになる。

 これは神秘体験を通じた『2001年宇宙の旅』的な上位存在からのメッセージである可能性が示唆されるのだが、もしかしたら未知のなにかの影響により単に精神が汚染されておかしくなっているだけのケースも否定しきれないというのが悩ましいところ。

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 というように考えようによってはかなり悲壮感があるハナシなんだけども、面白いのはスケール演出や秀逸なサウンドのおかげで妙な高揚感があること。未知なる世界や存在に対する恐怖ではなく畏怖の感覚を味わえる、レアなゲームと言えるだろう。

 クリアーまでかかったのは7時間程度。もちろん、余計な分の探索を減らしたり、ゲーム内データベースなどを細かくチェックしなければもうちょっと短くなると思う。

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