NVIDIAは6月1日、Computex Taipei 2021の基調講演で、新GPUとなるGeForce RTX 3080 TiおよびGeForce RTX 3070 Tiを発表した。
GeForce RTX 3080 Tiは最上位のRTX 3090とRTX 3080の中間モデルとして登場する。影の描写をよりリアルにするレイトレーシング機能がRTX 3080より向上し、ビデオメモリの容量が2GB増え12GBとなっている。正確なベンチマークの情報は出なかったが、旧世代のRTX 2080 Tiと比べて1.5倍の性能を誇るとされている。発売日は6月3日で、価格は1199ドル(約13万1256円)からとなっている。なお国内価格も発表されており、日本では17万5800円で販売されるそうだ。
また、GeForce RTX 3070 Tiも同時に発表された。RTX 3070はミドルクラスの位置づけの70番台でありながら、旧世代の最上位モデルとなるRTX 2080 Tiを上回る性能を誇り注目が集まった。RTX 3070 Tiは旧世代のRTX 2070 Superと比べて1.5倍の性能になるそうだ。RTX 3070 Tiは6月10日に発売され、価格は599ドル(約6万5573円)からとなる。こちらも国内価格が発表されており、日本では8万9980円で販売されるそうだ。
GeForce RTX 3000シリーズは、NVIDIAの最新世代であるAmpereアーキテクチャを使用したGPUだ。2021年6月現在、RTX 3090/3080/3070/3060 Ti/3060と合計5つのラインナップが存在する。下位モデルに相当するRTX 3060の性能が、一つ前の世代のTuringアーキテクチャを使用したGPUのミドルクラスであるRTX 2070とほぼ同性能であり、かつ価格が一つ前の世代の下位モデルのRTX 2060より約20ドル安いことから、人気の高いシリーズとして発売当初から抽選販売などがおこなわれてきた。
コストパフォーマンスの良さから本来のゲーム用途だけでなく、仮想通貨マイニングの再ブームの火付け役にもなり、世界的なグラフィックカード不足を招いている。NVIDIAはゲーマーにグラフィックカードが行き渡らないことを懸念してマイニング機能を制限したドライバを適用させたり、ハッシュレートを意図的に落としたチップを流通させたりと、対策をおこなっているが、現在でもグラフィックカードの品薄は続いている。
また、世界的なグラフィックカード不足の背景には、味の素が製造する半導体の絶縁フィルムであるABFが不足しているという側面もあり、グラフィックカードに限らず世界的に半導体の製造難が続いている。NVIDIAからは高性能なチップの発表が続き、シェーディング機能を強化するRTXや遅延を抑える技術であるReflexに対応するゲームも着実に増えているが、肝心の対応GPUが手元にないと何も始まらない。多くのゲーマーにとっては冬の時代とも言えるが、今は必ずやって来る春を待ちたいところだ。
からの記事と詳細 ( NVIDIAがGeForce RTX 3080 TiとRTX 3070 Tiを発表。発売日はそれぞれ6月3日と6月10日に - AUTOMATON )
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