もはや日本人の「国民食」であるカレーライス。一般に広まったのは19世紀ですが、ジャガイモや豚肉など個々の材料を分析してみると、その背後には長い歴史があるとわかります。今話題の左巻健男さんの書籍『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』から、「カレーライスができるまでの壮大な物語」をお届けします。
カレーが日本にやってきた
多くの人に愛されているカレーライス。カレーライスを構成する、ご飯(イネの種子コメ)とその具材であるジャガイモや豚肉を、人類はどのようにして食してきたのだろうか。
こんな笑い話がある。日本の家庭でつくるカレーライスをインド人に食べてもらったところ、こんな感想が返ってきたという。
「なかなかおいしかったのですが、生まれてはじめて食べました。何という料理ですか?」
日本の家庭でつくるカレーライスと、本場インドのものは少し異なる。インドのものはさらっとしているし、ビーフカレーやポークカレーはない。
インドのカレーは、シナモン、カルダモン、クローブ、胡椒、クミン、ターメリック(うこん)など、何種類ものスパイスをすりつぶし、混ぜ合わせたものを一種の調味料にして、野菜や豆、ときには肉や魚介類を入れてつくる。
Photo by iStock
カレーの語源は、南インドのタミル語のカリ(汁)ではないかといわれている。小麦粉を入れてとろみをつけるようになったのは、18世紀末頃にイギリスに紹介されてからである。調合済みのカレー粉が誕生し、牛肉料理などのソースに使われて広まった。19世紀になると文明開化の日本に渡来する。カレーは西洋渡来の洋食の一つとしてハイカラなイメージで広がっていった。
大正時代になると、ソース型から、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、牛肉あるいは豚肉などの具がいろいろ入り、黄色みがあって、やや辛いという、シチュー型のものに日本化されたのである。現在のカレーはこの大正時代の日本型カレーを引きついでいる。
からの記事と詳細 ( 意外と知らない…カレーライスにまつわる、超壮大な「歴史の物語」 - 現代ビジネス )
https://ift.tt/3e57JtO
壮大な
No comments:
Post a Comment