インタビュー DAY 3
ロサンゼルス市内を走るランボルギーニの車中にて
2020年1月30日
──では製作中の新アルバムの話題に移りましょう。
「もうラップはやめようかと思った。俺は悪魔のためのラップをやってきて、神のためのラップはどうやったらいいかわからなかった。そしたら、ある牧師さんが『カニエ・ウェストが歌う神のためのラップのアルバムが聴きたいってウチの息子が』と。それで決心がついた」
──あちこちの仕事場には必ずレコーディングの設備がありますね。それは、いつでもすぐ録音できるように?
「ラップを録音するときはiPhoneを使う。最高のマイクロフォンだ。最初に使ったのは『イーザス』のとき。『ジーザス・イズ・キング』では20%をiPhoneで」
──アルバムのヴォーカルがボイスメモ?
「そう」
──その『イーザス』以降、聴く側の期待を裏切り続けながら音楽を作ってきているように思えるのですが。
「シングルカットしたなかでいうと、“パワー”は最弱だった。周囲の期待にお辞儀してる感じの曲で」
──そうなんですか。
「だが“フォロー・ゴッド”は(クリスチャンとゴスペルの両方のチャートで)いきなり1位になったし、1位であり続けた。その件についてはどう説明する気だ」
──前と違う感じの曲でもお客は気に入るし、批評家になにをいわれようと気にしない、ということですか?
「気にしない。とにかく自分と向き合うだけだ(笑)。で、自分で聴きたいのを作る。運転中に聴きたい音楽とか。『ダーク・ファンタジー』は最高のアルバムだと誰もがいうが、『808s』と『イーザス』はウケなかった。『ダーク・ファンタジー』は、カニエ・ウェストももう終わりだとかいわれたからあそこまでのものにしてやった」
インタビュー DAY 4
オテル・リッツ・パリの朝食の場にて
2020年3月3日
──ファッション・ショーを終えた翌朝、気分はいかがですか。昨晩はノースのステージ上でのパフォーマンスが話題をさらっていました。それか新型コロナウイルスか。
「ノースは自慢の娘だ」
──コーディでは都市からの脱出について語り合いました。自然の中へ。持続可能な環境。家族とともに。いまわれわれは新型コロナウイルスへの恐怖が拡がりつつあるパリにいるわけですが、コーディのドームに住んでいれば、防疫的には間違いないですね。
「おそらくは」
──なのにこうして、文化の渦の中心へやってきた。
「俺が今回オスカー・ニーマイヤーがデザインした建物でショーをやったのは、あそこでやることで、アパレルのアイテムがあるコンテクストのなかに置かれるからだ。場所と相まって、個々のアイディアが、単独であるときよりもしっくりくる」
──とんでもないアイディアが、身近な、わかりやすいものになるというような?
「自分が生活するなかから沸いてくるイメージというのがあって、俺はそれをカタチにしている。アクセルと5年かけて自宅をやり変えてきたが、その成果だ。で昨晩は、カニエ・ウェストのなかではハウスキーパーはこんな姿、というのを見せたわけだ。たとえば」
──それこそは、人々がカニエ・ウェストのもとへやってくる理由なのでは?
「そうだ。自分ではハッキリとはわからない、自分の求めるもの。それが見えるから。かつてAMA(アメリカン・ミュージック・アワード)で俺が“ハートレス”をやったときのパステルのジャケットは、イカしてはいたが、でも当時エディ・スリマンがディオールでやった仕事ほどではなかった。NIGOのにも負けていた。だがいまは違う。負けてないし、むしろ勝っている」
──それはつまり、コンテクストが変わったから?
「わかるか? つまり農業だ。ファッション・ウィークやインターネットという土壌に種を蒔く。ショーをやるのは種蒔きだ。でも誰もがカニエ・ウェストの大樹に育った部分だけを見たがる」
──あなた的には、「そうじゃなくて、ここに種が撒いてあるんだ」的な。
「見た目はただの土かもしれんが、俺にとってはその段階が最高におもしろいんだ」
文・ウィル・ウェルチ Will Welch
翻訳・森慶太 Keita Mori
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July 24, 2020 at 05:30PM
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大統領就任をも目論むカニエ・ウェストの壮大な計画<後編> - GQ JAPAN
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