だから私は読書が好き、な5冊
■中村文則『逃亡者』、幻冬舎
第二次大戦下、通称“悪魔の楽器”と呼ばれたトランペット。それを持って逃亡する男。とにかく破格の物語です。今すぐ読んだ方がいい。
非常に稀に、このような作品に出会えるから、私は読書をやめられません。
■テッド・チャン(大森望訳)『息吹』、早川書房
SF小説を積極的に読んで来なかったのは、科学への苦手意識からかもしれませんが、ここには人間の感情や、未整理の倫理などが克明に描かれていたので、迷子になることなく、夢中で読めました。ひとつ残らず全て面白かったです。
■古川日出男『アラビアの夜の種族』、KADOKAWA(角川文庫)
「面白すぎて読む者が夢中になり破滅する」と伝えられる「災厄の書」をナポレオンに献上し、エジプト侵攻を阻止するという設定からして規格外。それほど面白い物語であると冒頭で宣言した上で、実際に作中で「災厄の書」の内容を語る。これが本当に面白いんです。アラビアンナイトの世界観で構成される壮大な物語です。
■マーロン・ジェイムズ(旦敬介訳)『七つの殺人に関する簡潔な記録』、早川書房
キングストン生まれの作家が書いた、ボブ・マーリーに関する小説。本のサイズに圧倒されるかもしれませんが、それぞれ語り手のリズムが心地良くて最高です。ボブ・マーリー暗殺未遂を中心に、ジャマイカやニューヨークの政治、暴力、薬、売春などについて語られます。
■オルハン・パムク(鈴木麻矢訳)『黒い本』、藤原書店
章ごとに、2つの物語が交互に進行していく。個人的に興奮したのは、カリスマ的な人気を誇るジェラール・サーリックという架空の天才コラムニストの文章を成立させているところ。天才の概要を書ける作家はいるだろうけれど、作品を書けてしまうというのが恐ろしいのです。
又吉直樹(またよし なおき)
PROFILE
1980年、大阪生まれ。吉本興業所属のお笑い芸人。コンビ「ピース」として活動中。2015年、「火花」で芥川賞を受賞。他の小説に『劇場』『人間』、エッセイに『第2図書係補佐』『東京百景』などがある。
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April 29, 2020 at 04:51AM
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